「……てことで石は素晴らしいものなんだ!!わかったかい、ミオちゃん」
「……ええもう、十分すぎるほどにねえ……!」


結局あれから二時間、ひたすら石の話をダイゴさんにされた。はじめは興味深いことばかりで面白かったけど、途中から自分のコレクションの話になってからは大変だった。マニアのお話は、うかつに聞いちゃいけないって痛感した1日だった。まあ博物館内のカフェで、ぼくとリオルたちにジュースとケーキを奢ってくれたからいっか、って思うけどね。頼んだアップルジュースをちゅーと吸いながら、適当に相づちをうっておく。と、なにやらマニアの顔じゃなくダイゴさんが言った。


「それはそうとさ、ミオちゃんはジムに挑戦しないのかい?見たところミオちゃんのポケモンたち、かなりのレベルみたいだけど、」
「ジム、ですか……」


まあそりゃリオルなんて、生まれたときからあの、シロガネ山にいて、さらにあのレッドくんやそのパートナーたち。それにぼくに鍛えられているんだよ、弱くなるわけがないよね。ごめんなさい、親バカで。でもリオルたちが大切なんだから仕方ないんだよ、ねえ。


「ん…まだ、考えてないです」
「そうなの?もったいない!すぐにバッチが集まりそうなのになあ……ちょうどこの町にもジムあるしね」
「そういってもらえてはうれしいですよー。だけど、」


一旦言葉を区切って、ぼくは笑った。

「いまはまたどこかに目的地をつくるよりも、家に帰りたいなあって」
「……………そっか。そうだよね、誰だってたまには家でまったりしたいものだし」
「はい」
「りーるっ」
「ぶいっぶーい」
「くるーむっくるー!!」

元気よくポケモンたちも返事をした。考えてみればイーブイとムックルなんて、シロガネ山に行ったことすらないしねー。にひ、洞窟って意外とあったかいことはやく教えてあげたいなあ。そんなことを思っていたら、ダイゴさんが「ポケギア貸して、」と手を出してきた。なにをするのかとりあえず黄色いぼくのポケギアを渡したら、ポチポチなにかいじりだした。まだ改造前だからいいけど、改造したあとだったらいじれなかったかもしれない、危ない。というかこれ個人情報!


「はい、僕の番号登録しといたから」
「……はい?」
「もしかしたらさ旅に出たくなるときが来るかもしれないだろ。そのときにでも頼ってくれればいいなあって思ったわけだよ。ミオちゃんたら石の話も大人しく聞いててくれるし、僕は君のこと気に入ったんだ」
「そりゃあ…ありがとうございます?」
「あはは!なんで疑問形なんだか!!ま、暇なときにでも電話してくれて構わないし、バトルの申し込みだって大歓迎さ。もちろん……石の話だったらいつでもね!」
「えへへ、最後の以外でお言葉に甘えさせていただきますっ!!」
「もう、つれないなー」


茶目っ気たっぷりに笑ったダイゴさんに、同じく悪戯っこみたいに返して、ぼくたちは笑いあった。これはもうぼくたちは友達って言ってもいいんじゃないかな。友達ひとりげっとだぜ!!なーんてにゃあ。なんてね。




でんでんでんぐり返しで帰りましょう!
(アニメみたいなノリで)(突っ込んじゃいけないよ!)








 




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -