がしゃんがしゃん、とモンスターボールから出したメタグロスを後ろにつけてダイゴさんは帰っていった。ダイゴさんは「じゃあまたね、ミオちゃん」とぼくに言う、ぼくもさよならとは言わなかったよ。だってまたすぐに会える気がしたんだ。
青い背中が見えなくなってから振り返ると――そこにはレッドくんがいた。
「――! う、うわぁああ!?いっ!?レッドくんいつの間にいたの?!」
「……さっき?」
「さっき…ってダイゴさんがいたときは?!」
「そのあとすぐ」
「どれだけぼく気づかなかったの!?あと声ぐらいかけてほしかった!」
「……ん、ごめん」
「、ん?」
違和感を覚えて見ればごめんと言ったわりにレッドくんはむくれてる。肩に乗っているピカチュウを見ると、「ぴぃか……ぴい」と呆れたように、手までつけて首を振った。なんだこの反応、かわいいじゃないか。じゃなくて。
「怒ってる?」
「ぴか(ふるふる)」
「意外となかがつまんなかった」
「ぴか(ふるふる)」
「えー?じゃあ拗ねてる!とか!」
「ぴいか!」
半分やけになって、冗談のつもりで言ったら、ピカチュウはうなずいてる。……ってえぇええ!?
「…っぷ……あはは!!まさか、置いてったから!?」
「…悪い?」
「ううん…!レッドくんかわいい!!」
かわいいって言ったらまた拗ねてしまった。だけど仕方ないじゃんか、えへへ。隣にいて、ほんの少し触れていた手をちょっと強引につかまれて、にぎられて。驚いてレッドくんを見たら、そっぽむいてぐっと帽子をさげる。
「…早くマサラタウンに行くよ」
「うんっ!!」
耳がほんのり赤い。こういうとき同い年だなあって、14才の男の子なんだなあって思ってかわいかった。また言ったら怒られるかな?
君がかわいく思えた日
(レッドくんの弱点発見!えへへ!)
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