望ちゃんに連れられて、食堂へ。
予想はしていたけど、人、人、人。多いなあ!
望ちゃんが人を連れ歩くのがめずらしいのかなんだか見られている気がするのはきっと気のせいじゃないはず。なんだか動物園の見せ物になったようですこし気分が悪かった。でも仕方ない、ここに来てしまった以上、それにお世話になるんだからそれくらいはあって仕方ないはずだから。


「あ、ミオ、太公望殿。きたのね」
「……あ、しょうちゃんだ」
「行くぞ」


しょうちゃんたちが固まっているところへと向かう。それだけでなんだか安心してしまうのは許してほしい。
そこにはしょうちゃんに劉備さま、あとひげの長い頭のよさそうな人ときれいな女の人。あと赤い服を着たぼくと同じくらいの男の子…?


「さっきぶりね!さあ、ここに座りなさいよ」
「ん、ありがとー」
「ミオ、少しは落ち着いたか??」
「……劉備さま。こんなによくしてもらってなんか申し訳ないというか…」
「いや、ミオはもう私の民だ。ちゃんともてなすのは当たり前だろう」
「りゅ、劉備さま……!!」

ヤバい、後光がまぶしい、大徳光線が降ってきたまぶしくて思わず目をそらしてしまうくらいだ。


「劉備様、太公望殿…そちらの娘は誰か聞いてもよろしいでしょうか」
「おお諸葛亮、そうだったな」
「…劉備将軍、私が紹介しよう。この娘はミオ、貴公らと同じく遠呂智につれられたところを保護した」
「あ、あの沢田ミオといいます。よろしくお願いします」


にこりと笑顔のオプションであいさつ。やっぱり、第一印象は大切だと思うんだ。怖い怖い家庭教師さまもね、そう言ってたんだよう。


「ミオ殿ですか…私は諸葛亮。劉備様のもとで軍師をつとめさせていただいています」
「諸葛亮さん、?」
「はい」


確か、漢文で習った名前だ。
司馬懿を走らす、だっけ?


「そしてこちらが私の妻です」
「月英と申します。よろしくお願いしますね、ミオさん」
「は、はい。おねがいします……あり、きれーな、ひと……?」
「まあ…お世辞でも嬉しいですね」
「いえいえ、おせじじゃないですよう」


間が空いたのは歴史と違うから。醜女とならったんだけど、事実は違ったらしい。事実は小説とは奇なり、とはこれまた違うけど。



「こんにちはミオ殿、私は陸遜といいます」
「りくそんさん……」


………喉仏、あるけれど。


「……女の子、ですか?」
「ぶふっ!!!」
「しょ、尚香殿!」
「だ、だって玄徳さま!陸遜が女の子だって……あははははは!!」
「尚香殿……」
「勘弁してよミオー」
「…尚香殿、あとで覚えていてくださいね?ミオ殿、期待のところすみませんが、私は男です」
「ご、ごめんなさい」


思わず謝った。あれはすごく怖い笑顔のときのむっくんとかはーちゃんと同じだ。いけないことをすると、ふたりともああいう顔で叱ってくるの、怖い。
で、でも月英さんも口元緩んでるし、諸葛亮さんも扇で隠してるけど笑ってるんじゃないかな、あれ。あ、望ちゃんもこっそり笑ってる。きれーい、お人形さんが笑ったみたい。


「いいえ、これから間違えないでくださいね」
「は、い………」
「ミオは悪くないわよー。こんなのにビビってないで、さあ好きなもの食べなさい」
「あ、ありがとう。きたばっかりでなにもできないのに、ごめんねえ」
「ああ。それについては問題ない」
「、望ちゃん?」
「ミオ、そなたには諸葛亮殿のもとで兵法を学んでもらうことにした」




………ん?
どこからそんなはなしがきた?





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