散歩日和

 

桜の花びらがベランダに舞い込んでチカは拾う

今、チカはひなたぼっこ中で目がとろんとして眠そうだ

「…もう4月か、」

4月、チカと外出デビューを果たすと約束した4月になった

「あったけぇし、買い物行くか、」

いつもは一人で買い物だが今回からチカと一緒
考えると顔が緩んだ

だがチカを外出させるには、耳と尻尾を隠さねばならない

「チカ、おいで」

「なぁにーおるすばん?」

まかせろ!と笑顔を向けてくるが
まさか4月になったのを気付いていないのか

「チカ、今春だな。」

「あったかいねぇ」

「Ya、だから、行ってみるか、外に」

目を見開かせて顔が緩んだ。
尻尾と耳をパタパタさせて、嬉しいのだろうか

「で、外に行くには、チカ、ズボン履くんだ
で、帽子かぶって、耳隠して
しっぽはズボンにINな」

「わかったぁ」

本当にわかっているのかは不安だったが、

「よし、似合ってるぞチカ」

「えへへー」

案外普通に着てくれたからよかった
出会った頃はあんなに嫌がってたのに

「あ、チカ、」

くるくるフローディングを滑っていたチカが首を傾げて近付いてた
俺はすぐそばにあったタンスの引き出しから医療用の眼帯を取り出した

「な、なに?これ、まさむねなぁに?」

「チカは眼の色が違うから、赤い眼を隠すんだ」

と、左目をガーゼで被せて紐を耳に掛けた

「や、やだ、まさむね、」

「Ah?なんだチカ?」

「みえない…みえないよぉ…めがみえないよぉ」

「………」

まさか、ここで問題発生だと…

「わりぃわりぃチカ、怖かったよな」

と眼帯を大人しく外してやる

「う゛ん…ちかこれこわい…」

ぎゅっと抱きついてくるチカを抱きしめ返してやるとにこりと笑った

「じゃ、これはやめておこうかチカ、
せっかく俺とお揃いだったのに」

仕事に行くときはちゃんとした革でできた眼帯をしていくが、
休日は医療用の眼帯をしている。
その白い眼帯をちらりとみせるとチカが口を開いた

「…おそろい…」

「ん?」

「おそろいー…したいなぁーまさむねとおそろいなら、こ、こわくないかなぁー」

チラッチラッ
そんな効果音が付きそうなくらいに目が下から上、上から下に動く。

「じゃぁもっかいやってみっか?」

「えーでもやっぱちょっとこわいなぁーどうしようかなぁー」

「Okey、チカ、目瞑ってな」

「んぅ?」

大人しく眼を閉じるチカの左目に眼帯をつけた。
その後にちゅっと口付けて

「開けて良いぜ?」

「んぅーおそろいした?」

「鏡みてみるか?」

と鏡を取り出して、チカの顔を映した。

「おそろいだ!」

嬉しいそうにして笑うチカがかわいい

「じゃあ、いこ!おかいもの!」

帽子を被って笑い掛けてきた。



チカちゃんチカちゃん耳でてます
(ちょっと待て、耳入ってない!)
(ふぇー?)


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久々ねこちかやふぅ!
やっとかけた!最近バイト終わったら寝てしまうので
なかなか書けなかったです。
まだ若干スランプ気味…ゆ、許して!

(100412)


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