買い物デート


 
「まさむねぇおそとだよ!」

マンションのメインゲートを通り、チカはぴょんぴょん跳ねて喜んでいる

「チカ、すこし静かに…な?」

と、チカの可愛らしい唇に人差し指でぷにっと触ると大人しくなった
スーパーまで歩いて7分、ゆっくり二人で手を繋いで目的地に向けて歩く
周りの目なんて気にならない、絶対この手を離さない
他愛のない話をしながらスーパーに入って籠を取ると、チカがこちらを見てきた

「ちか、もってあげるよ!」

満面の笑みで言われたら渡すしかない

「Okey、遊んじゃ駄目だからな」

「わかってるよーちかしってるよ、ここにね、やさいとかおかしとかいれるんだよ!」

えっへんと胸を張って言うチカがめちゃめちゃ可愛くては頭を撫でた

「Heyチカ
これ籠に入れてくれるか?」

「あいあーい」

始めの内は進んで持っていたが徐々に駄々をこね始めた

「ちかおもいよぉまさむねもってー」

「チカが持つっつったんだろ」

「うー」

シュンとしたチカにAhーと唸る
あたりを見渡し視界に入ったのはショッピングカートだった

「チカ、籠かしてみな」

「んう?」

はい、と渡された籠をショッピングカートに乗せる

「わぁなにそれすごい!」

と笑った
引いてみるかといえば首を縦にコクコクと頷いた

「ころころー」

遊ぶことなく政宗の隣でカートを引く

食材の他にチョコレートやお菓子を籠に入れて会計する

袋に食材を入れて籠とカートを片付ける
両手に袋を持って歩く
チカは後ろをてけてけ付いて来る
スーパーの出入り口を通るとチカがあ、と声を上げた

「ちか、1こもつよ!」

と、チカは政宗から両手に持っている袋を取り、政宗に笑いかけた

「そうすればまたおててさ、つなげるよ!」

と、ぎゅっと手を絡めて繋いできた

「…チカ、」

「んぅ?」

好きだと言いかけて口を結んだ
歩道でじゃ恥ずかしくて、ガキみたいだなと心で苦笑

「頭いいな」

「えっへん!」

胸を張って誇らしげに笑う
今は帽子が邪魔で綺麗な銀髪をわしゃわしゃ出来ないが帽子越しに撫でてやるとチカは目を細めた
家まであと4分、手を繋いで仲良く帰る


手を繋いで買い物デート
(あしつかれたぁまさむねぇ)
(はいはい、チカいい子だからもうちっと歩いてくれよ)




(100608)


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