▼ 03
「んっんっ…ふ、ぅあ」
聡太郎は声を抑えるためか、ぎゅうっと唇を噛み締めていた。
「こら、噛んじゃだーめ」
かわいいかわいいそのお口に傷がついちゃうじゃないか!そんなの耐えられない!
くそう。こうなったら意地でも喘がせてやる。もう一度ちんこを咥え直し、舌を先端に捻じ込ませると同時に出っ張った部分を強く指で擦った。
「いやぁっ!!いくぅっ!!」
「んっ」
びゅるっと口内に液体が注ぎ込まれる。うふふ、早いなぁ聡太郎。オナニーしてたからかな?とにかくいただきます!
暫くその白濁を味わった後、ごくごく飲み込む。ねっとりとした感覚も聡太郎の出したものであると思えばご褒美だ。
ぺろりと自分の唇を舐めながら、肩で息をする聡太郎に微笑みかけた。今にも瞳から零れ落ちそうな涙。はぁはぁはぁかわいい。その顔ちょーかわいいよ。
「ごちそうさま」
「っ、ばか!」
「いてっ」
蹴られた。
「聡太郎がオナってたんじゃん!俺は手伝っただけだし」
「オ、オナってなんか…」
「じゃあなんでズボンもパンツも履かないで布団に入ってたの?なんで俺が触る前にちんちんからえっちな汁垂らしてたの?」
「も…うるさい…」
「俺が頑張って学校行ってた間、聡太郎は一人でそんなやらしいことしちゃうんだ」
手首の拘束を解いて、上から抱きしめるように覆いかぶさる。耳を軽く唇で挟みながら低い声で囁いた。
「聡太郎の、えっち」
みるみるうちに赤く染まる耳。うっはぁ、かわいい。食べちゃいたい。
しかし聡太郎は次の瞬間、俺をどん底へ突き落した。
「もうお前なんかきらいだっ!」
「えっ」
「きらいきらいきらいっ!やだやだやだぁっ!」
「そ、そうたろ…」
「はなせよぉっ」
ぼろぼろ涙を零しながら逃れようともがく。
…そ、そんな!聡太郎が、俺のこと嫌いって!?うそだ!そんなの嘘!やだ!俺聡太郎に嫌われたら死ぬ!
「ごめん、ごめんね聡太郎、嫌だった?」
「嫌に決まってるだろこんな…っひどい」
「そうだよねオナニーくらいするよね。俺だって毎晩聡太郎で抜いてるもんごめんね」
「何さらっとカミングアウトしてるんだ!」
「謝るから、だから嫌いなんて言わないでよ聡太郎…俺、辛い…」
「っ」
半泣きのままぎゅうっと抱きしめる。情けないことは分かっているけど、でもなりふりなんて構っていられない。だって俺は世界一、いや宇宙一聡太郎が好きだ。聡太郎が俺のすべてだ。
「俺に触られるの嫌になった?」
「…」
「俺にちゅうされたくない?」
「…」
「もうえっちもしたくない?」
「…」
「うわぁぁぁぁ!もう俺なんて生きる価値もないんだぁぁぁぁ!」
「ちょっ!ひかる!?」
衝動的に部屋を飛び出そうとする。慌てて俺の名前を呼ぶ聡太郎。
「お、落ち着け。戻ってこい」
「だっで、だっで、ぞうだろうおれのごどぎらいっでいっだ…」
「それくらいで泣くなよ…」
ぐすぐす鼻を啜る俺に、聡太郎は困ったように眉を下げた。っていうかそれくらいって!それくらいじゃないよ!死活問題だよ!生きるか死ぬかの瀬戸際だよ!
「…悪かった。今のは、嘘」
「う、うぞっで…?」
「とりあえず鼻水拭け。あとここに座れ」
ベッドの淵のスペースを少し開けてくれる。言われた通りそこに腰を下ろせば、ティッシュで荒っぽく顔を拭かれた。痛いよ聡太郎。
prev / next