僕の秘密と君の罠 | ナノ


▼ 03

「はぁ…あっ、う…」

両手を彼の顔の横につき、肩で息をする。体力には自信がない。ましてやこんな全身を使う運動などもってのほかだ。

許容量を超えたせいで、彼の穴からはとめどなく精液が溢れだしていた。その刺激にすら感じているのか、亮一さんは小さく声を漏らす。

「ん…もったいない…」

何がもったいないのかさっぱり分からない。

「…約束ですからね。ちゃんと教えてくださいよ」
「ふぁっ、分かってる」

ゆっくりそれを引き抜けば、案の定精液まみれになっていた。どんだけ出したんだ、僕。

その辺にあったティッシュで拭おうとすると、亮一さんは楽しそうに言う。

「お掃除フェラ、してあげようか」

遠慮します。



「はー…」

長時間パソコンの画面を見つめていたせいで、身体が凝っている。軽く伸びをしながら椅子にもたれかかった。

「ん?」

机に置いた携帯が着信を告げている。画面を見て目を丸くした。…り、律君じゃないか。

彼が俺に電話をしてくるなんて初めてのことだ。慌てて通話ボタンを押す。

「も、もしもし」
『…』
「律君?律君だよな?」
『…りょーいちさん』
「どうした?俺に何か用事?」
『ふふふ、りょーいちさんらー』

えっ何その可愛い声。

電話の向こうから聞こえてくる気の抜けた声は、いつもの彼の声をは全く違う。っていうか、酔ってる…のか?なんだかふわふわしている。

『僕いまナースなんですよぉ。りょーいちさんはぁ、ナース好きれすか?』
「ナース!?」

思わず椅子から立ち上がってしまい、研究室にいた他のメンバーからの視線が突き刺さった。

しかし今そんなことを気にしている余裕なんてない。ナースとは何だ。ナース服のことか。

まさか律君、酔うと女装に目覚めるとかそういう性癖…。なんだそれすごく興奮する。

『んふ、みんな似合うって言ってくれたんれす!』
「ちょっと待て、みんなって誰だ」
『ゼミのみんなですよぉ』

なんてことだ。思わずぎりぎりと歯ぎしりをする。

俺よりも先に律君のそんなかわいい姿を見た奴がいるなんて…!ずるい。ひどい。羨ましい。

『りょーいちさんは、僕にいっつもおんなのこになってっていうからぁ、よろこぶかなって』

見たいですか?と色っぽく囁かれ、顔が熱くなるのが分かる。

そんな、そんなの、見たいに決まってる!俺はナースが好きだ!っていうか律君が好きだ!

「り、律君いまどこにいる?」
『今ですかぁ?えぇとぉ、駅の近くのぉ…』
「迎えに行くから、絶対誰にもついて行っちゃだめだぞ?ふらふらもしちゃだめだ。そこを動くな」
『はぁい』

駅なら急げば10分くらいで着く。慌てて研究室を飛び出した。

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