シック・ラバー | ナノ


▼ 04

「ん、ふ、んん」

裏筋を舐めたり、カリを刺激したり。勿論今まで一度も人のモノを咥えたことなんてなかったが、同じ男だから気持ちいいところは大体分かる。何度も何度も愛撫を繰り返しているうちに、段々と芯を持ち始めたそれ。

「はぁ…っそれ、やめ…ろ」

時折先端に舌をねじ込ませるように動かせば、ひふみの身体がびくりと跳ねた。

はぁはぁと頭上で荒い息が響く。いつの間にか俺を引き離そうとしていた手は、両頬に優しく添えられていた。

「ん、ぷぁ…ちゅ」

次々と滲み出てくる先走りと俺の唾液が混ざって、ぐちゅぐちゅ卑猥な音がする。汚いなんてちっとも思わない。

「みず、き…ッあ」
「ふ、ふ、う、はぁ」
「見んな…んくっ、う」

ねっとりと全体を焦らすように舐めながら視線だけを上に移すと、きゅっと目を細めて快感に耐えるひふみの顔が見えた。…くそ、何だそのえっろい顔。初めて目にする表情に興奮の度合いが増す。

「うぁ、…っちょ、それは無理だって…!」
「んぐっ」
「むり…っ、はなせよ、っは、ァ」

ぐぷぐぷと完全に勃起したちんこを奥まで咥えこめば、前のめりになってガクガク震える奴の身体。苦しくなって生理的な涙が浮かんだが、そんなことはもうどうだっていい。

ちゅぽちゅぽ。ずろろろ。激しく頭を上下させて、必死になってそれを貪った。

「そ、っんなの、どこ、で…覚え、ふ、くッ…」
「んっんっ、ふ、はぁ」
「あ、もう、でるから…ッ、はなせ、っ」

頬を包む手に力がこめられ、涙目のままもう一度見上げる。ひふみの額から汗がぽたりぽたりと落ちて、俺の顔に伝った。出していいよ、と目線だけで訴えかける。

逃げんなあほ。全部出せ。俺の口の中に。

…他の女になんかに渡してやらない。お前はそうやって俺だけ見てればいいんだ。

「は、でる…っくぁ、ふ、っみずき…んんッ」
「う、ぐ」

喉の奥まで咥えこんだその瞬間、ビクビクと痙攣しながらひふみがイった。すごい勢いで白濁が口内に溜まっていく。

うええ…苦ぇし臭ぇ。でも、

「ばかや、ろ…ちょっ、やめろ何してんだ!」

浅い呼吸を繰り返していた奴は、俺の顔を慌てて掴む。しかしもう遅い。べえっと舌を出して、それを全部飲み干してしまったことを示した。

「はぁ…ふざけんなよお前…」
「くっそまずい」
「くそが…ぶっ殺すぞ。どういうつもりだ」

…どういうつもりだって?

「キスしろ」
「は?」
「俺にキスしろって言ってんだよ」
「意味分かんね、っん!?」

腕を伸ばし、襟首ごと引き寄せる。勢いで歯がぶつかってめちゃくちゃ痛かったが、離してやる気なんてこれっぽっちも無かった。

そのままちゅるっと舌を突っ込んだ。最初は逃げ回っていた奴の舌も、段々とそれに応えるように向こうから絡んでくるようになって。

「ん、ふ、うぁ」
「…ん」
「は、…どうだ」
「…まっず…」

何が楽しくて自分の精液なんて。顔をしかめるひふみに笑う。

「だろ?まずいだろ?」
「…なんだよ」
「だぁかぁらぁ、俺はお前のならこんなまずくても飲めるって言ってんだよ」
「は?」

もう、分かってる。俺は、俺は、

「俺、お前のことが…んぐっ」

手で口を塞がれた。

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