アイスソウル

それは、水道局のお手伝いをしていた時に起こったです。

次々とデリートされていく水道局のプログラム達。

――ダークロイドの襲撃。

「やめるです!!」

ぼくはそう叫んで、必死にダークロイドに対抗したです。
敵わないってわかっていても、諦めたくなかったです。

「バトルチップ!ソード!」

ぼくをオペレートしてくれる透くんの声。
ダークロイドに立ち向かったけど、攻撃は全く効かなかったです。

ダークロイドの攻撃をまともに受けて、体が動かなくなって。
意識が遠くなって、もう、だめだと思ったです。

その時だったです。
――ロックマンが助けに来てくれたのは。

「アイスマン!」

ロックマンの声。
ぼくは力を振り絞って、横になっていた身体を起こしたです。

ダークロイドと対等に戦うロックマン。
ぼくはその光景に目を奪われたです。

「…すごいです…」

その声は、無意識に口から零れてたです。

その直後だったです。
ロックマンがダメージを受けてしまったのは。

仰向けになるロックマンに近付くダークロイド。
必死にロックマンを呼ぶオペレータの熱斗くんの声。

「…こっちです!!」

ダークロイドに向かって、ぼくは叫んだです。
そして、残っていた全部の力を込めて、吹雪を起こしたです。

通用しない、そうとわかっていても、少しでも時間を稼げるなら。

「フリーズボム!!」

爆風の中から猛スピードで現れるダークロイド。

――ごめんね、透くん。
ぼく、何にもできなかったです。

透くんの力に…ロックマンの力になれなかったです…。

――――――――

――あ、れ……?

「…アイスマン、大丈夫?」
「…!ロック、マン…?!」

ロックマンの右手はソードに変化してて。
ダークロイドの攻撃からぼくを守ってくれたです。

「小賢しい真似を!」
「お前の相手は僕だ!」

ソードでダークロイドを弾き飛ばすロックマン。
そうしてぼくの背中を手で支えて、もう一度大丈夫?って聞いてくれたです。

「ロックマン…ごめんです。ぼくは大丈夫です…」
「…良かった。あいつを今から退治してくるから、ここを動かないで」

――足手まといは、嫌です。
ロックマンの、力になりたいです。

でも、僕には、力が……――

――ソウルユニゾン、みんな出来てるのに。
ロックマンの力になれてるのに。

――どうして、ぼくには出来ないです?

ぼくだって…ロックマンの、ロックマンの力になりたいです――!!

「こ、これは…!?」

ロックマンとぼくの胸元のマークが突然光りだしたです。
何度か見てきたその光は、とても暖かくて強く感じる光だったです。

――ぼく、やっと。
やっと、ロックマンの力に、なれるんですね。

「…アイスマン…」
「…ロックマン。ぼく、ずっと…ロックマンの力になりたかったです」
「…ありがとう、アイスマン」
「受け取ってくれるですか?ぼくの、力…」
「もちろんだよ。…一緒に戦おう、アイスマン」
「はいです…!」

一緒に。
――ロックマンと、一緒に。

2015/05/20

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