想い、想い


「・・・なぁ、お前ぐらいの歳の女ってどんな物が欲しいんだ?」



「あぁ、マイへの誕生日プレゼント?」



「っ!?いや、別にっ・・・・・・

・・・・・・いいだろ、どうでも」






久しぶりのウィンリィへの電話。


機械鎧の調子を伝えるついでのように話を持ち出してみたが、俺の思惑は即行バレた・・・


反射的に否定しようとしたが、そうすれば質問の答えは返ってこないんだろうと溜息をついて濁した。


すると、電話口からも呆れたような溜息が漏れて来る。






「はぁ・・・あんたから珍しく機械鎧壊したっていう以外の電話がかかってきたと思ったら・・・・

惚気話なら他所でしなさいよ、こっちは忙しいんだから」



「惚気てねぇ!!!」






ウィンリィの言葉に思わず反応して言い返す。


だが声に力が入っていたらしく、周りから奇異な視線を集めてしまった。


宿の受付に置いてある電話だ。


人通りを今更ながらに意識して、俺は視線から逃れるように壁際に寄って小声で話を戻す。






「とっとにかく質問に答えろよ!」



「あーはいはい。

遅くなってマイに妙な疑い持たれたら元も子もないもんねぇ〜」



「だぁ!うっせーーーー!!!」






からかわれていると分かってはいるが、顔に熱が集まるのはどうにも出来ない。


・・・背中に突き刺さる複数の視線もどうにも出来ない。


とりあえずさっさと聞いてすぐにこの場から立ち去りたい。


その一心で電話へと耳を集中させれば、そうね〜と候補を考えるようなウィンリィの声が聞こえてきた。






「あっ!最高級の整備用具!

それかー素朴さの中にも腕の良さが光る9年モデルの機械鎧か、繊細なラインが堪らな」



「それはお前が欲しいもんだろーが!!!」






ウィンリィの言葉を遮るように叫べば、電話の向こうからは笑い声が返ってくる。


完璧にからかってやがるな・・・


もう切ってやろうかと受話器を見るが、その前に笑いを何とか抑えたらしいウィンリィの声が届く。






「あぁちょっと切らないでよ?

えーっと、マイへのプレゼントでしょ?」



「・・・・・・・あぁ」



「なら・・・」






続く言葉に本当にそんなもんでいいのかと問えば、ウィンリィは自信有り気に肯定の意を返してきた。


半信半疑ながらも一応礼を言って電話を切る。


そこで目に入った時計の時間に慌てて部屋へと帰れば、別段気にした風も無くマイが笑顔でおかえりと振り向いた。




















マイの誕生日当日。



朝一で祝いの言葉を贈れば、嬉しそうな笑みが返ってくる。


その後気を利かせたらしいアルは外出。


現在二人だけの部屋で、俺はいつどのタイミングでプレゼントを渡すかを計りかねていた。






「せ、せっかくだしどっか行くか?」



「フフッ、別にわざわざ出かけなくてもいいよ。

エドも疲れてるでしょ?」






俺の心情がそれとなく伝わっているのかマイは苦笑混じりだ。



・・・あぁそうだよ、ガラにも無くちょっと緊張してるんだよ!



こうして誕生日を祝いたいと思える相手が出来るとは思っていなかった。


プレゼント一つ選ぶのにも何日も思い悩んで、結局幼馴染に頼る破目になって・・・


何とかプレゼントの準備を終えてからも、マイはこれで喜ぶのだろうかとか似合うだろうかとか想像しては打ち消して・・・


でも、そんな風に考える時間も決して不愉快ではないと思えた。






「マイ・・・」






呼びかけると視線が合う。


その真っ直ぐと見つめ返す瞳をずっと傍で見ていたいと思ったのはいつからだった?






「誕生日、おめでと」






そう言って差し出すプレゼントを、笑顔で受け取る手。


その小さくも温かい手を握り締め、離したくないと思ったのはいつからだった?






「ありがとう、エド」






嬉しさの滲む声に自然と笑みが浮かぶ。


ゆっくりと包みを開いて、中身を見た瞬間に綻ぶマイの顔。


視線が俺へと戻って、その口が言葉を紡ぐ。






「嬉しい、本当にありがとう」






ふわりと浮べられた笑み。


それに俺はひかれるように自然と距離を詰めた。


重ねた熱は、最初こそその違いを感じられたがすぐに混ざり溶けていく・・・


求めれば、途惑いがちにだが応じられて嬉しさが込み上げる。


どこまでなら許容範囲かを探るように交わす口付け。


その垣間見えるぎこちなさも今の俺ららしくていいとさえ思えた。




ゆっくりと離れれば漏れる吐息。


間近で合わせた視界には色付いた頬とはにかんだような笑みが映った。


そのどれもが愛しくて、ギュッと抱きしめれば伝わってくる体温に安心感が広がる。






「来年も、一緒にいてね」



「当たり前だろ」







背に回される腕に笑顔を返せば、これから先に続く未来を想わせる様な笑みがそこにはあった・・・



























<後書きという名の言い訳>



ソレイユ様へ日頃の拍手コメント等の感謝の気持ちと、遅ればせながらのお誕生日プレゼントです!!!

って、何ヶ月遅れだって話ですよね本気で申し訳ありません_| ̄|○ il||l

しかもリクは『エド夢甘でお誕生日ネタ』だったはずなんですが・・・

甘さはどこいった?(;゚∇゚)

・・・・・ほんとすみません、ごめんなさい(_ _|||)

しっしかしこんな駄文でも、日頃の感謝の気持ちなどギュ〜〜〜っと詰め込んだつもりです!!!

こんなもんで良ければどうぞ貰ってやって下さいませm(__)m

ちなみに返品や苦情等24時間年中無休で受け付けております!

それでは、これからもこんなサイトと管理人ですがヨロシクお願い致します(^^)



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