揺れて、甘く、ホワイトデー
2008年のホワイトデー夢ですv
とりあえず、お相手はハガレンのロイでバレンタインと対ではありません!
私的に微妙にロイがムカつきます(←愛ゆえの暴言・・・・たぶん)
笑顔で受け取っている姿を想像するともちろんムカツク
これでも私と彼は付き合っているのだ
自分の彼氏が他の女から笑顔でバレンタインチョコやプレゼントを貰っている
そんな姿を快く見られる女性がはたしてこの世にどれほどいるだろうか?
残念ながら私はそんな少数派であろう女ではない。
だが、だからと言って彼が断っている姿を想像してもムカツク
普段が普段、性格が性格だ。
彼が女性にモテルのは付き合う前から知っていたことだし、彼がそれを無下にしない、それどころか喜んでいるのも知っている。
そんな彼だからこそ、私がいるからとバレンタインチョコを断るなんて逆に嫌味のように感じてしまうなんて、やはり私が捻くれているからだろうか?、
残念ながら私は恋をしたら可愛くなるなんていう女ではない。
・・・・・本当に、どうして彼は私なんかを選んだのだろう?
ちょうど一ヶ月前。
バレンタイン当日。
私は結局その日彼とは・・・・ロイとは会わなかった。
まぁいくら世間がバレンタインだ何だと騒いでいても平日ということは変わらないし、仕事も当然通常通りだ。
いや、それどころかその日は定時で即帰るという者が多く、結局私と他バレンタインには興味なしといった数人が残業という有様だった。
まぁ、それは彼に会えないという口実になって良かったのだが・・・・
彼に会いたくなかった訳ではない・・・・
いや、やっぱり会いたくなかったかもしれない。
イロイロ考えて、やはり彼がチョコを貰っていても、断っていてもムカツク
そしてそんな自分が許せない。
でもチョコだけは作って、昼休みに彼のマンションの郵便受けに入れて来てしまった。
名前もカードも書かなかったから、彼が気付いたかどうかは分からない。
まぁこの一ヶ月、電話でもデートの時でもそんな話が出てこなかったことから気付かなかった可能性の方が大きいな。
毎年あれだけのチョコも貰う彼だ。
そんな中のたった一つに気付くわけがないか・・・
そう頭では理解しているのに・・・・
心のどこかでは望んでいたのかもしれない。
彼がチョコに気付いて、おいしかった、ありがとう、と言ってくれるのを
・・・・・自分にこんな夢見がちな部分があるだなんて思わなかった。
どう考えても彼が気付くわけがないのに。
何を期待しているんだろう、私は・・・・・
周りに気付かれないように溜息をついて、パソコンをシャットダウンする。
今日の仕事はこれでおしまい。
明日は休みだ。
帰りにコンビニにでも寄って、軽く何か買って帰ろう。
同僚達に「お疲れ様です」と声を掛け、ロッカーへと向かう。
仕事で疲れた目を解しつつ鞄を手に取り、そのまま会社を出て駅へと向かう。
その時・・・・・
「お疲れ様」
突然後ろから掛けられた声に驚いて振り返る。
「・・・・・・・・・何してるのあなたは」
驚きは一瞬で、すぐにそれは溜息へと変わる。
「今日は会う約束なんてしてなかったはずだけど?」
彼の、ロイのこういった突然の行動は今に始まった事ではない。
仕事が速く終わったからとか、美味しいパスタを出す店を聞いたからとか理由は毎回違うけどどれも似たり寄ったり。
でも、それでも私はロイを追い返したりなんてしないし、そもそも出来ない。
「乗るだろ?」
車を示されて言われた言葉。
私が断らないと見越したような表情が腹立たしい。
でも、ほんと私が付き合い始めて変わったところはこういうところだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・ちゃんと送ってよね」
変なところでこの人に甘くなる。
「で、今回はどこに行くの?」
運転するロイの横で、外へと視線を向けたまま問う。
今日はやけに人通りが多い気がする。
休み前だからだろうか?
「あぁ、私の家に向かっているんだが・・・・・どこか行きたい所でもあるかな?」
ロイの答えに正直驚いた。
この時間帯からロイの家に招かれるなんて本当に稀だから・・・・
驚く私と、ウィンドウ越しのロイと目があった気がする。
私はそれにハッとして、慌てて「別に・・・」と短く答えた。
久しぶりにロイの家に来た気がする。
何かと外で会うことが多い私たちなので、バレンタインの時も久しぶりだと感じた。
リビングに通されて、コーヒーを淹れるからとソファーを勧められる。
コートを脱いで鞄を置き、相変わらずさっぱりとした部屋だと軽く見渡してからソファーに座る。
適当にテレビをつけて何となくいつも見ているニュースにチャンネルを変える。
その頃にはコーヒーの匂いが微かに漂ってきていた。
コーヒーを手渡されて、ありがとと短く答えて一口飲む。
あぁ、もう砂糖が入ってる。
隣に座るロイへと目を向けると、何故か微笑まれて再びニュースへと視線を戻した。
何だろ・・・・久しぶりに来たから緊張してるのかな、私・・・・・・
コーヒーも飲み終わって、マグカップをテーブルへと置く。
それを待っていたのかただの偶然か、ロイが立ち上がってキャビネットの引き出しから何かを取り出す。
そして・・・・
「マイ」
「・・・・・・・・・何?」
笑顔で私へと差し出されても対応に困る。
ラッピングしてある事からプレゼントだろうと推測はできるが、まず私には貰う理由がない。
誕生日でもなければ何かの記念日でもないはず。
そもそも私は記念日とかには拘らない。
もしかすると何かあったかもしれないが覚えていない。
そういう性格だとはロイも分かっているだろうに・・・・
思わず不審そうに眉を寄せる私に、ロイは苦笑を浮かべた。
「別に変な物ではないさ。受け取ってくれ」
「だから、何で?」
変なもの云々の前に理由だ。
理由が無ければ受け取らない。
プレゼントが嬉しくない訳ではないが、どうも付き合う前他の女にイロイロと買っていたロイの姿を思い出していけない。
私の様子に、ロイは苦笑を浮かべたまま続ける。
「今日はホワイトデーだろう?バレンタインのお返しさ」
「えっ?」
思わず間抜けな声が零れる。
そして改めて目の前に差し出されたお返しに目を向ける。
数秒後、彼へと再び視線を向けると・・・・・・・・なんていい笑顔。
これは私がチョコをあげたと確信している。
なぜ分かったんだろう・・・
と、その前に・・・・・
「・・・・・・・性格が悪い人ね」
気付いててここ一ヶ月何も言わなかったのか。
「バレンタインデーのお返しをするのがホワイトデーだろう?」
ニコニコと、その笑顔に意地を張っているのが馬鹿らしくなってお返しとやらを受け取る。
形状から言って、ネックレスだろうか?
「ありがとう・・・・」
いちおう、小さく礼を口にすれば再び隣に座ったロイから髪へとキスをされる。
こういう気障な事がどうにも似合う男だ・・・・
「どうして、分かったの?」
気障と思いつつも熱くなってしまう顔を隠したくて、話を逸らすように口を開く。
ロイはその事に気付いているのか、微笑を浮かべながら答える。
「君からのチョコを気付かないわけがないだろう?」
「・・・・・・・・・」
「と、言いたいところだが、あの日は私も一度昼に帰ってね。
ちょうど君が帰る姿が見えたんだよ」
「そんな事だろうとは思った」
彼の始めの言葉に、思いっきり向けていた疑いの視線を溜息に替える。
溜息をついて見せたけど、偶然だとしても気付いてくれて嬉しかった・・・・
思わずそっと笑みを浮かべる私を抱きしめて、ロイが耳元で囁く。
「チョコ、美味しかったよ。ありがとう」
この人の声には、時々・・・・本当に時々、とても癒される。
たまには素直になってみようかと思うくらいには、とても・・・・
「今日は泊まっていくだろう」
「・・・・・何で疑問系じゃないの?」
「私の希望も含まれているからだ」
「・・・・・・まぁ、別にいいけど」
本当に甘くなってしまったな、私・・・・・
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