2009年バレンタイン夢
タイトル通り2009年のバレンタイン夢ですv
連載【愛しの夢の旅】の二人のバレンタイン・・・・
うん、書いて後悔した( ̄▽ ̄)
あの子達でまともなバレンタインなんて無理だよ(おぉいっ!)
微妙な出来ですが、いつもの事なのでサラッと流して下さると嬉しいです(おいおいおい)
「あっ!あああ!!!」
毎夜のごとくリオとアニメの話に盛り上がる。
今夜もいつも通り深夜という事も気にせずにテンション高く語り合っていた。
そんな中、何気なく見た携帯・・・
私はある重要な事に気付き大声を上げた。
「んあ?何だよマイ」
銃の手入れを終えたらしいリオは、道具を鞄にしまい込みながら私へと視線を向ける。
ちょうど話題がテニプリメンバーを家族にするなら誰がどの配置がいいかというリオ好みのものだったので、話の腰を折られ若干不満そうだ。
だが私はそんなリオにズイッと携帯を勢い良く突き出した。
「見てよリオ!!!!!」
そして気付いて!
そんな想いで突き出した携帯だが、リオから発せられたのは意外な言葉だった。
「・・・・・・・・・おまえ、これいつ撮ったんだぁ?」
私の携帯を見た途端、リオが眉根を寄せた。
一瞬何の事を言われたのか理解出来なかったが、すぐに先日撮って待ち受けにしているエドの写真の事だと気付いた。
「ちっがーーーう!!!
今は待ち受けの事なんてどうでもいいの!!!!」
「いや、どうでもよくねーだろ。
だってこれ、明らかに隠し撮りだろ」
私の携帯を引き寄せてよく見ようとするリオからパッと携帯を手元に隠して首を振る。
「隠し撮りじゃないよ!
エド写真撮るの嫌がるからコッソリ撮っただけだもん!!」
「いや、だからそういうのを隠し撮りだって」
「もーーーーいいから日付を確認――――!!!!!」
手近にあった枕を投げつけながら無理やり話題を元に戻すと、渋々そうにリオは自分の枕元に置いていた携帯を引き寄せた。
そして数秒後・・・・
「あっ!あああ!!!」
少し前の私と同じ反応を見せるリオ。
そんなリオの様子にどこか満足すると、私も改めて携帯の日付へと目を落とす。
02.14 SAT 01:36
そう、今日は大切な大切な年に一度のバレンタインデーだ!
恋人達にとっては外せないイベントの一つと言える!
恋愛ゲームで言うと、CG付きの重要イベント!
いやいや恋人に限らずその他キャラ達とも新密度を上げるには効果的だ!
・・・・・このチャンスを逃す手は無いでしょう?
「・・・・・・どーするよマイ」
「とりあえず・・・・・・今は寝ようかリオ」
このままはしゃぎ始めて結局寝過ごしたなんていうオチは避けたい。
途中になっていた「テニプリメンバーを家族にするなら誰がどの配置がいいか」という話題はまた後日に延期。
とにかく今は寝て、朝になったら行動開始だ!
朝一番に宿のおっちゃんの元へと向かった。
目的はただ一つ。
キッチンを貸してもらうこと!
始めはどうしたもんかと悩んでいる様子だったおっちゃんだが、「愛する人にお菓子を作ってあげたいんです!!」というマイの気迫に圧されて了承してくれた・・・・
・・・・・・・まっまぁなにはともあれ、これでキッチンの確保に成功したわけだ。
近くの店で材料を調達し、宿で働くおばちゃんから善意でエプロンを貸してもらったら自然とマイのテンションも上がる上がる。
「よーーーし!
早速レッツクッキングターイム!!!」
「って、待てよマイ・・・・・・うち、チョコなんて作ったことねーぞ?」
テンションの上がるマイと反比例して、うちのテンションは急降下・・・
キッチンに実際に立って、ようやく現実味が沸き同時に自分の料理オンチ具合を思い出す。
まだ兄貴と二人暮らしをし始めた頃、野菜炒めを作り兄貴をリアルに泣かせてしまった事は忘れがたい出来事の一つだ・・・
・・・うちも、どうしてあそこまで黒くなったのか分からない
だからうちは元の世界にいた時もまともに料理をした事が無い。
マイと一緒に暮らす前は兄貴が、マイと一緒に暮らし始めてからはマイが料理を作ってくれていた。
菓子なんて論外だ。
うちがマイへと視線を向けると、マイはいつも通りの笑顔を浮かべた。
「アハハ、大丈夫だよ!
リオが作るのはトリュフでしょ?
そんなに難しくないから心配ないよ〜〜〜
それにね、お菓子作りは分量と手順さえ間違えなければ失敗なんてしないよ」
それに私も隣で見て教えるからって言われたら、さすがにうちでも大丈夫だろうかという気になってくる。
「頑張ろうね〜」
「・・・・・おうっ」
短いが、気合の込めた返事をした。
しかし・・・・
「まずはね、湯せんでチョコを溶かすんだよ〜」
「・・・・・・・・・・・マイ、湯せんってどれだ?」
「・・・あのねリオ、お湯でチョコを溶かす事を湯銭っていうんだよ〜」
「なるほど!・・・・でもよ、お湯にチョコ入れたら薄くなるんじゃね〜のか?」
「・・・・・・・うん、まずお湯を沸かそうか」
「おう」
前途は多難だった・・・・・
「はい、後はココアパウダーと粉砂糖をそれぞれ振り掛ければ出来上がり!」
「お〜すげっ!うち菓子なんて作ったの始めて・・・」
うちはマジマジと目の前のトリュフを眺める。
途中マイが焦っていたところもあったが、うちとしては以前の惨劇に比べれば上出来だ!
トリュフを完成させたうちは次にマイの方へと目を向ける。
「なぁ、マイのはまだ出来ねぇ〜のか?」
「ん〜〜?そろそろいいと思うんだけど・・・」
マイは携帯を開いて時間を確認すると、オーブンを覗き込んだ。
うちも隣に並んで覗き込むが、いい具合に焼き目もついているし何より美味そうな匂いがキッチンに広がっている。
「うん、もう良さそうだね〜」
そう言うと、マイがオーブンを開ける。
「おぉっ!いい匂い!!」
先程より一層漂うチョコの甘い匂い。
うちが感動していると、マイが細い串を刺して中の焼き加減を確認する。
「うん、上等上等!
後は冷まして粉砂糖振り掛ければ私のガトーショコラも出来上がり〜」
「おっまえ、ほんとこういうの得意だよなぁ・・・」
思わず漏れるのは感嘆の溜息・・・
毎年マイからバレンタインには菓子を貰うが、店で並んでいてもおかしくないようなものばかりだった。
マイは携帯で時間を確認すると、うちへと笑みを向けた。
「ここ片付けてラッピング終わったら、チョコ渡しに行こうね〜」
「おうっ」
うちは気合を入れて答えた。
「「 ハッピーバレンタイン!!! 」」
バタンッとドアを開ければ一斉に皆が振り向いた。
呆気にとられているエドが可愛くて、思わず写真に撮りたい気持ちになってくる。
しかし非常に残念な事に今現在私の両手は塞がっていて携帯を取り出すことが出来ない。
「・・・・・何やってんだ?」
書類の提出に来ていたエドは短く疑問を口にした。
私はそんなエドに満面の笑みを浮かべて近付く。
そして・・・
「ハッピーバレンタイン!」
そう言って持っていた箱をズイッと差し出せば、途惑いつつも流れで受け取ってくれるエド。
だが疑問は解けていない・・・
「・・・・バレンタイン、って何だ?」
「元の世界では今日はバレンタインデーっていうイベントの日なの。
国々によって習慣は違うけど、私達のいた国では・・・・・女の人が好きな男の人にチョコレートを贈って告白するのが一般的かな?」
「はぁ?!」
ニッコニコと笑みを浮かべたままエドへと説明すれば、途端にエドの顔が赤く染まった。
手の上にある箱と私を何度も見比べて、傍から見れば挙動不審者そのものだ。
しかし私はそんなエドを真っ直ぐ見つめて口を開く。
「・・・ずっとずっと好きでした。
私にはないその強い意志と心に凄く憧れて、こうして一緒にいて気付く優しさにいつも幸せを感じてます。
一緒にいればいるほどどんどんエドの事好きになっていて、それはこれからもずっと変わらないって思ってます。
こんな気持ちになったのはエドが初めてで、うまく言葉に出来ないけど・・・・それでも想いを込めて作りました・・・・よかったら食べて下さい」
「っ、・・・・、マイっ・・・」
エドの顔がこれ以上ないってほど赤くなっていく。
私はそんなエドの顔を間近で見つめ、・・・・・・・・・・スッと距離を取って笑みを浮かべた。
「って、こんな風に告白する日なんだけどね、今は愛情とは関係なく贈る「義理チョコ」や女の子どうしてで贈る「友チョコ」っていうのもあるくらいだから、そこまで真剣に考えなくてもいいよ〜」
私はそこまで言うと、呆気に取られた表情のエドを置いてリザさんの元まで行く。
そして腕に提げていた紙袋から、ガトーショコラと一緒に作っていたチョコタルトを取り出す。
「と、いうわけでハッピーバレンタインです、リザさん!
いつもリオがお世話になってます」
「ありがとう、マイちゃん」
笑みを浮かべて受け取ってくれるリザさんに私も笑顔を返す。
すると今まで黙って見ていたリオがスッと私に近づいてきた。
そして・・・・
「・・・・エドに負けてねーくらい、顔赤くなってきてるぞ」
「・・・・うっうるさいなぁ」
勢い良く顔を逸らせば、聞こえてくるのはリオの苦笑。
・・・仕方ないじゃないか!こういうのは後になってから恥ずかしくなってくるんだから!!!
自分でも自覚できるほど熱くなった頬。
冷ますように手を当てて、チラッと後ろを振り返る。
アルやハボック少尉にからかわれて、結局怒鳴り始めてしまったエドより顔の熱が冷めるまでは・・・・
(ふざけたフリして本音を言うのも無理そうだなぁ)
それでも、どこか心は満たされているような気がした・・・・
マイの赤面は珍しい。
バレないようににエドから離れるマイの様子に、うちは思わず苦笑する。
おいおい、何のためのバレンタインだよ・・・
つーかエドもエドだ。
「鈍い男だな、鋼のも」
いつの間に来たのか、うちの横に無能が立っていた。
面白がっているような、呆れているようなそんな嫌な笑顔を浮かべている・・・ように見えた、うちには。
だが態度はどうであれ、言っている事は至極真っ当な事なので今日はサラッと流してやる。
ついでに・・・
「ほらよっ・・・」
顔を見ないまま軽く投げ渡す。
さすがと言うか何と言うか、この距離でも落とさずに片手で無能は受け取った。
だがうちが渡した物を見て、目を見開く。
「・・・・・私にか?」
「・・・マイが言ってたろ?義理チョコっつーのもあるんだよ。」
本当は無能にやるつもりは無かった。
だがマイが、東方司令部にうちが出入り出来るのも無能が口を利いてくれてるおかげだと思うなんて言うから・・・・
それに、何だかんだでこいつがうちらのために動いてくれてるのも知っている。
だから・・・・これは特別で・・・・でも決して深い意味は無い
ただ・・・・・
「・・・・・うちは借りを作るのは嫌いなんだよ」
そう顔を逸らして言うと、微かな苦笑が耳に届いた。
「・・・・・そうか。ではこれは有り難く頂いておくよ」
そう言って向けられた笑顔からは、無能にしては珍しく嫌な感じはしなかった・・・・
あぁヤバイ・・・・・うちにもマイの赤面が移ったのかもしれない
熱くなっていく頬を、無能には死んでも気付かれたくないうちは急いでハボ兄の元へトリュフを渡しに行く。
自然と浮かんでくる笑みの理由なんて分からない。
けれど、心が満たされているという自覚だけはあった・・・・・
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