開く事の無いカーテンだったが、窓を打つ音が聞こえたのでああ雨が降っているのだなと分かった。神様が泣いているのだ。

折り曲げた膝を抱えて、濃すぎるココアを喉に流し込む。熱すぎたのと焼け付くような甘さに舌が悲鳴を上げている。でもそんなの知らないとばかりにカップを傾ければ、むせ返って吐き出す。馬鹿だなと笑う。
首に手を掛けてみるも、上手く力が入らない。こんなに震えた手では絞めてもたかが知れている。生憎この部屋にはナイフなど無い。ロープなんて物を使っては第一発見者に申し訳が無いので使わない。そもそもロープも持ってはいなかった。

君は知らない。
僕がこんなにも、臆病者である事。詰まらない人間である事。無知である事。無力である事。汚れている事。

手の中のココアはとっくに熱を失っていて、溶け切れなかった粉が斑に浮いていた。
泣いているのは神様なんかでは無かったんだ。
虚飾して、朝


 
2010/10/18

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