学園祭当日
三年生は大学受験などもあるため、クラスの出し物自体は有志者のみで、文化祭自体も強制参加ではない。
しかし、受験の多少の息抜きも兼ねて全員が高校最後の学園祭と後夜祭には参加する。
作戦決行の日スリーライツと美奈子は怪しまれないように“残念ながら仕事のため欠席”という扱いになった。
亜美はうさぎやまこと、遊びに来たレイや一等と模擬店を回って“普通に”過ごした。
シークレットライブ開始予定時刻は午後八時。
“風邪をひく予定”だった雪音は完璧な変装で関係者として忍び込んだ。
亜美の変装を手伝ってもらわなくてはいけないためだ。
───午後七時十五分
亜美は「機材トラブルで水野さんに手伝って欲しい」と夏海に呼ばれたため、うさぎとまことは二人になった。
───トントン
「ん?」「はぁい?」
亜美が出て行って少しして肩を叩かれ振り向くと───
「「レイちゃん!?」」
「バカっ!声が大きいわよ!」
「どうしたんだいその格好は……」
「うちの制服だね」
十番高校の制服に身を包んだレイがいた。
「実は帰ろうと思って学園祭が終わってから一度家に帰ったのよ。
そしたら、荷物が届いてたのよね」
「「うん」」
「それで、中にこんな手紙が」
『はぁい♪前から思ってたんだけどレイちゃんってうちの制服似合いそうよねぇ♪
って言うかこれ着て後夜祭に忍びこんじゃいなよ〜♪あたしのだ・け・ど☆
(クリーニング済みだから安心してね♪)』
「美奈子ちゃんだね?」
「だね」
「じゃあ、それ美奈子ちゃんの制服なのかい?」
「そうよ」
「……レイちゃん」
「……な、何よ?」
「何で素直に着ちゃったの?」
レイはキョロキョロと周りを見渡す。
「ねぇ、亜美ちゃんは?」
「え?」
「レイちゃん…あたしの質問は無視!?」
「ちっがうわよ。そうじゃなくて……」
「亜美ちゃんならさっき担任に呼び出されたよ」
「そう…」
レイは考えこむ仕種をする。
それを不思議に思ったうさぎとまことはレイを連れて、後夜祭の会場を一度離れる。
「美奈子ちゃんが言ってたんだけどね…」
「レイちゃんがわざわざ忍び込んだことと関係あるんだね?」
「まぁ、そうね。意味が分からなかったからメールしたらうさぎとまこちゃんに伝えて欲しいって言われたから」
「なになに?」
「“後夜祭の最後を楽しみにしてて。いい?絶対に会場にいてね?”ですって」
「それは、言われなくてもそのつもりだけど…」
「“みんなは歴史の発見者になる!”ともあったわ」
「なんの歴史なんだろうねぇ?」
「うーん?」
「美奈子ちゃんがわざわざレイちゃんに制服を貸したって事は……」
「なんかやるんだろうねぇ?」
「でしょうね」
うさぎ達はパタパタと会場に戻る。
「とにかくレイちゃんの事はバレないようにしないとね」
「そうだね。まぁみんな盛り上がってるしバレないと思うけど」
「まぁ、でも、悪いけどフォローよろしくね」
その頃
「よしっ♪目をあけていいわよ、水野さん」
亜美がゆっくりと瞼を開く。
「はい、これは自分でいれてね?」
亜美は瞳に濃紺のカラーコンタクトを入れる。
「はぁい♪
“謎の美人ハーピスト”様、見参☆」
雪音が軽く言うと、亜美が真っ赤になる。
「うわぁ…すっごいわねぇ。いやぁ…見た事はあったけど、あの時は客席からだったから…ねぇ」
まじまじと亜美を見つめる夏海。
───コンコン
「はぁい?」
「出来ましたかぁ?」
「えぇ、完璧よ♪」
「お邪魔しま〜......」
「美奈子ちゃん///」
「〜っ/// やだっ!亜美ちゃんたら可愛い♪って言うか綺麗よっ♪」
「〜っ/// あ、ありがとう///
でも、美奈子ちゃんの方が可愛いわ///」
「えへへっ☆亜美ちゃんと一緒のステージに立てるから気合い入れたの♪」
「ありがとう、美奈子ちゃん」
そう言って嬉しそうにふわりと微笑んだ亜美はすごく綺麗だった。
───ズキューン
「な、なんで撮ったの?」
「いや、気が付いたら手が勝手に。そんなわけでせっかくだから大気さんにメール送信を」
「しなくていいから///」
「美奈、何水野で遊んでんの?」
「まーた愛野と水野はいちゃついてんのか?」
「そうよん♪あたし達ラブラブなんだから☆」
美奈子が亜美にギュッと抱きつく。
「美奈子ちゃん///」
「愛野さんあまり亜美をからかわないでくださいといつも言ってるでしょう?」
「大気さんばっかり亜美ちゃんをひとりじめとかずるいわっ」
「ふっ」
「美奈」「大気」
「水野が泣きそうになってるからそのへんにしといてやれ」
「ほら、泣いたらせっかくのメイクが台無しだよ?」
「う、うん///」
五人のやりとりを見ながら雪音は楽しそうに笑っている。
「雪音…よく笑ってられるわね?」
「ん〜?最初はどうしようかと思ったんだけど、慣れたわね」
雪音は亜美がライツマンションで練習をするようになってから、彼女と一緒に空いてる部屋に泊まらせてもらっていたため、五人のやりとりを見慣れたのだ。
ちなみに美奈子が「亜美ちゃん大気さんの部屋に泊まればいいんじゃないの?」と、言ったのだが…
大気の方から「学園祭が終わるまでは亜美とは一緒の部屋で寝ません」と答えがあった。
亜美もそれで納得しているようだった。
「さて、そろそろね」
夏海が愛と連絡を取りながらそう言う。
「急がなきゃ!」
「うん。そうだね」
「それじゃあ、水野またあとでな」
「えぇ」
「頑張ろうね?水野」
「えぇ」
「楽しみね?亜美ちゃん♪」
「うん」
「大気、表で待ってるぜ?」
「分かりました」
星野にそう答えると、大気は亜美に向き直る。
「亜美」
「はい」
「先生方だけでなく、生徒のみなさんを驚かせてやりましょう?」
大気が子どものように無邪気にそう言って笑う。
「───はいっ」
亜美も彼の笑顔に、ふわりと微笑んで答える。
「でも、まずは───思いきり楽しみましょう?」
「はい」
「では」
大気はふっと笑うと、身をかがめる。
「え?」
───チュッ
「っ///」
「「!?」」
大気からの不意打ちのキスに真っ赤になる亜美と、その光景に絶句する楠姉妹。
「ステージでお待ちしてます」
「〜っ//////」
大気は爽やかに微笑むと部屋をあとにする。
「お待たせしました」
「よしっ!じゃあ行こうぜ?」
「自分達の学校でシークレットライブなんてもうできない経験だね」
「うん!楽しみ♪
なんだけどその前に大気さん…亜美ちゃんにチューしたでしょ?」
「口紅ついてるよ」
「あ…」
「お前なぁ…先生達の前で何してんだよ!」
「仕方ないでしょう?亜美が可愛すぎるんです」
(((そんな堂々と)))
「それに───」
「なんだよ?」
「少しでも緊張がほぐれるかと思いまして」
(((別の緊張を与えてるんじゃ…)))
「〜っ///」
「水野さ〜ん?帰っておいで〜?」
「っ//////」
「雪音…こんな事にも慣れたの?」
「いや、ここまではさすがに…私もびっくりしてる」
「まったく…担任の私の前でいい度胸してるわ…大気君…」
「お姉ちゃん落ち着いて」
「ごめんなさい///」
「別に水野さんのせいじゃないわ?」
「うぅっ///」
『ではいよいよ後夜祭最後のプログラムです───“三年生の有志によるステージ”です!』
会場にはそんなアナウンスが流れるが───幕は上がらない。
会場がざわめく。
『みんな!学園祭楽しかったか!!』
タイミングを見計らった星野が閉じた幕の裏でマイクを手に叫ぶ。
「星野?」
うさぎが聞き慣れた声にきょとんとする。
『どうせならもっと楽しもうぜ?』
『それに、せっかく最後の学園祭なのに参加できないのは残念ですからね』
『せめて後夜祭で思い出作りも悪くないんじゃない?』
「大気さん?」
「夜天君?」
レイとまことも驚いたようにステージを見つめる。
『だから作るのよ!ここで!今から!あたし達が!!』
「「「美奈子ちゃん!?」」」
そして───幕が上がる。
割れんばかりの拍手と悲鳴が会場に響き渡った。
その音は亜美達のいた場所まで聞こえてくるほどだった。
「始まったわね」
「さて、それじゃあ行きましょうか?」
雪音と夏海が真っ白のローブを被った亜美を振り仰ぐ。
「───はい」
ココから見てる
砂漠の夜明けを
「きゃーーーっ!!」
「美奈Pーーーっ!」
「愛野センパーイ!!」
『みんなありがと〜♪』
美奈子は自分のステージを終え、舞台袖に下がる。
「お疲れさま。美奈」
「へへへ☆いってらっしゃい♪夜天君」
「うん」
「では、愛野さん“彼女”のエスコートをお願いします」
「まっかせて♪」
「愛野が盛り上げてくれたおかげで俺たちもやりやすい。サンキュな」
「えっへん!」
「じゃあ行こうぜ?」
「うん」「えぇ」
星野達がステージに登場した途端、女生徒達の悲鳴が響く。
「やっぱスリーライツはすごいわねぇ…ちょっと悔しいケド…」
美奈子は流れ始めた彼らの新曲のリズムに合わせて身体を揺らせる。
「あたしも負けてられないわ!」
二曲目が始まった時、舞台裏にのみ通じている出入り口から、雪音と夏海、白いベールをまとった亜美が入ってくる。
「わぁ…すっごい」
「いやぁ…私って凄い子たちの先生だったのねぇ…」
「お姉ちゃん今さら?」
「わかってたけど、こうして目の当たりにするのは初めてだもの」
「なるほど〜」
「…っ」
亜美がローブの裾をギュッと握り締める。
「だいじょぶよ、亜美ちゃん」
美奈子が気付き、その手を優しく包み込む。
「っ…うん」
「怖い?」
「すごく緊張もするし、ドキドキしてるけど……」
亜美はすっと顔をあげ、美奈子を見つめ微笑む。
「ワクワクもしてるの」
「っ!フフッ、そうこなくっちゃ!」
───わぁぁぁっ
二曲目が終わり、三曲目が始まった。
「いよいよ次ね」
「はい」
亜美は瞳を閉じて、今日までの練習を思い出す。
そして初めての教師との衝突。反発。
反面に、たくさんの人の協力と理解。
雪音の猛特訓。
美奈子の励まし。
星野、夜天の応援。
大気の優しさ。
何も聞かないでいてくれたうさぎ、まこと、レイ。
行けないけれど、成功を祈ってくれていると言ってくれたはるか、みちる、せつな、ほたる、衛。
自分の進むべき道を迷わないように言ってくれた両親の愛。
優しく見守ってくれた夏海と愛。
他にも、たくさんの人達の思いやりで、今の自分がここにいる。
「あーみちゃん♪」
「え?」
───チュッ
額に柔らかな感触。
「っ///」
「“愛の女神”のキッスは高いのよ〜?」
美奈子がイタズラっ子のようにくすりと笑う。
「美奈子ちゃん───ありがとう」
「水野さんいよいよね」
「はい」
「水野さんなら出来るわ」
「はい」
「楽しんできなさい?」
「はい」
「最高の演奏を聴かせてね?」
雪音が優しく微笑んで、亜美を抱きしめる。
「はいっ!」
『さて、早いけど次で最後の曲だ』
「えぇぇぇぇぇっ」と不満そうな反応。
『さっきも言ったけど、俺たち三年生にとっては高校生活最後の学園祭だよな。
だったら“特別”なことがあってもいいだろうって思って、このシークレットライブを決行したんだ』
『“愛野美奈子”そして、僕ら“スリーライツ”。
こんな贅沢なライブ観られて、みんなホントにラッキーだよね?』
『そうですね。こうして素敵な時間を作って下さった校長先生をはじめ、今日まで黙ってて下さった先生方に感謝ですね』
『それで、だ。どうせならここでしか観られない“特別”がもうひとつくらいあってもいいよな?』
『みんなは“柊雪音”さんって“ハーピスト”知ってる?』
客席からは様々な反応がある。
ステージの後方の暗幕が取り払われ“ハープ”が現れる。
『私達は今回の学園祭で“特別”に、彼女のハープとのコラボレーションをさせて戴けることになりました』
「あっ!まさか…」
「…なるほどね」
「大胆な事するわね」
うさぎ達が“理解”する。
『───でも、残念ながら柊さんは「おたふく風邪」にかかってしまったらしく…今日ここには来ていないんです』
会場だけでなく、教員たちもざわめく。
『でも、安心して!
代わりに柊さんの唯一の教え子の人が来てくれたんだ』
夜天がにっと笑って言う。
『今日しか見られない“特別”な“流れ星”を、みんなに感じて欲しいんだ!』
星野の言葉に会場のボルテージが一気に上がる。
そして、美奈子にエスコートされ、白いローブの人物が現れる。
美奈子の手によってそのローブが取り払われると、そこには当然“変装した”亜美がいる。
スリーライツのステージ衣装に合わせた色合いのドレスに身を包む“謎の人物”の登場に会場が息を飲む。
「ひゃぁっ…やっぱり亜美ちゃんキレーッ///」
「しーっ!バカうさぎ!言っちゃダメでしょ!」
「写真撮ったらダメなのかなぁ…」
「絶対に美奈子ちゃんが撮ってるから、もらえばいいと思うなぁ」
亜美は客席を見回し、スカートをつまみお辞儀をひとつ。
ふわりとスカートを翻すと、自分が奏でるハープの元へとゆっくりと歩いて行く。
───そして、準備が整うと…
スリーライツの三人に小さく頷く。
───♪♪〜♪───
繊細でありながら凛としたハープの音色が響き渡る。
亜美の奏でるハープに、星野の、夜天の、そして大気の歌声が混ざり合い、教員を含めた客席すべてを音の波へと引き込む。
ゆったりと、しっとりと『流れ星へ』が会場に響く。
君の香りずっと
さがしてる
ぼくの声よとどけ
あいしてる
いまどこにいるの
Moonlight princess
「すごい…ね」
「「うん…」」
その光景に
視覚が、聴覚が、触覚が───
すべてが音に支配される。
それはうさぎ達だけでなく、そこにいたすべての人がそうだった。
「どう?お姉ちゃん?“私達”の生徒は?」
「ほんっとに……もうっ…私、学校の先生になって良かったわ」
「私も、水野さんの“先生”になれて良かったわ」
───♪......
スリーライツと亜美の『流れ星へ』が終わった。
拍手が起こった。
大気がちらりと教員席を見ると、教頭や足代も拍手していた。
それを見て、ニッと笑う。
「大気」
星野がマイクを通さず大気を呼ぶと、ひとつ頷き亜美の元へと行く。
「お手をどうぞ?お姫様?」
「えっ?」
「ある意味、ここからが“本番”ですよ」
「はい」
亜美は大気の手にそっと触れると、彼のエスコートでスリーライツと美奈子の間に立つ。
『さて、みんな“彼女”が誰か、わかるか?』
星野が言うと、客席から「わかんなーい!」「誰ーー?」との声が上がる。
『みんな興味津々だよ?どうする?』
夜天がどこか楽しそうに聞く。
『…………』
亜美は無言で一つ頷く。
『愛野さん、お願いしても構いませんか?』
『りょうかーい♪』
美奈子はそう言うと持っていたマイクを夜天に手渡し、亜美のウィッグに手をやる。
「───いい?」
最後の確認。
「えぇ」
亜美は笑顔で答える。
亜美の答えを聞いた美奈子が彼女の濃紺のウィッグをそっと外す。
その瞬間、現れるのは特有の碧いショートヘアの髪。
“美人ハーピスト”の“正体”に会場が一瞬静寂に包まれた。
───次の瞬間
会場中から「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」と、驚きの声が上がった。
「水野さん!」
「ホントに?」
「すっご…」
「え?なに?亜美ちゃん先輩!?」
「水野センパーーイ!」
「すっげーーーーっ!!」
「かっこいいーっ!」
十番高校の生徒は盛り上がる。
大気は会場を見回して、さっきと同じように教員席を見る。
ポカンとした表情で舞台上を見つめる教員達がいた。
(ざまあ見ろ)
心の中でそう呟いて、隣の亜美を見る。
彼女は様々な反応に戸惑っているようだ。
『みんな、びっくりしたでしょ〜?』
美奈子が笑顔で楽しそうに煽ると「したーっ!」との反応が返ってくる。
『どうだった?スリーライツと水野さんのハープのコラボ!』
煽ると客席がわぁっ盛り上がる。
『じゃあ、はいっ』
美奈子が亜美にマイクを差し出す。
『え?』
『え?じゃないわよ?
亜美ちゃんがしゃべるの』
『う、うん…』
マイクを受け取る。
『えっ…と…』
どうしよう…
何を言えばいいのか分からない。
───ギュッ
隣に立っている大気がドレスのスカートで隠れている亜美の手を握った。
そのぬくもりはとても優しくて、あたたかくて…。
“大丈夫ですよ”と言ってくれているようだ。
亜美は、大好きなぬくもりにほんのり頬を染めて小さく微笑む。
『みなさんを驚かせて、すみませんでした』
まず謝ってしまうのは亜美の性格上仕方ない。
『今日は、みなさんに演奏を聴いていただきたくて、今回のシークレットライブに参加させてもらいました』
亜美がゆっくりと話す。
『あたし達は五月に校長先生からシークレットライブの話をもらってたの。それで───』
美奈子も一緒に事情をみんなに説明する。
『そんなわけで───先生方を騙す形になってしまってごめんなさい』
『ごめんなさい』
『『『すみませんでした』』』
亜美達が教員席に向かって深々と頭を下げる。
会場がシンと静まり返る。
───パチパチパチ
教員席から一人分の拍手が聞こえ、驚いた亜美達は顔を上げる。
「実に素晴らしかったですよ」
「校長!?」
周りの教員が驚く中、校長はマイクを手にする。
『シークレットライブをしてくれと無理を言ったかいがありました。
愛野さん、星野君、大気君、夜天君、それから水野さん。どうもありがとう』
校長が頭を下げる。
『いえ、俺たちこそすごくいい思い出が出来ました!ありがとうございます』
星野たちがもう一度頭を下げる。
『みんなもありがとうな』
そう言ってアイドルスマイルを見せる星野に会場中から「きゃぁぁぁぁぁっ」と悲鳴が上がる。
「むぅっ…」
それに頬をふくらませるのはうさぎ。
そんな彼女の様子にまこととレイがクスクスと笑った。