「ええ眺めや…」
 ギンも舌で濡れた唇を舐め、嬉しそうに見上げる。
「あんたはじっとしてても良いわよ」
「そう?」
 乱菊は自らギンの身を迎え入れた。
「ああん…んふ…ちゃんと堅くなってる」
「そらもう…」
 自分の体の上で艶めかしく揺れる豊かな乳房に口角が自然と吊り上がる。
「ふふ、気持ちいいでしょ?」
「ん、気持ちええ…」


 上と下と体の位置を幾度となく入れ替え、乱菊はギンを奥深くへと迎え入れることを喜び声を上げると、ギンも乱菊の奥深くへ潜り込もうと動きに激しさが増す。

「あっ、あんっ、ああっ!!」
「ん…ふ…そろそろ出そう…」
「あっ、あっ、キてっ!!早くっ」
「んんっ!!」
 息荒くギンが訴えると乱菊もギンを抱きしめ求める。

「ああああ!」
「う…あ…んん…」
 乱菊が嬌声を上げ体を震わせると、ギンは呻き声を漏らし体を震わせた。


「……ギン」
「うん?」
「もっと」
「は?」
「もっと頂戴?」
 甘えた声で猫のように擦り寄られ、ギンは嬉しく感じながらも、またも彼女を怒らせる事を言わなくてはいけない我が身を呪った。
「…あの、乱菊さん?」
「何よ、改まって」
「ボクの体まだ…本調子やないし…」
「…枯れるまで絞り取ってやる」
 ギンの言葉に思わず乱菊の声が低くなる。
「そうされたいのは山々やけど…」
 彼も解っているのだ。溜息を吐きだし乱菊の機嫌を取ろうと口付けをして宥めるように髪を撫でる。
「……ネムに薬貰ってこようかしら」
「十二番隊の?うーん…それもええけど…」
「何よ」
「できたら、薬頼らんでも…乱菊と愛し合いたいなぁ」
「……ばか…」
 さらりと心の篭った事を言われ、乱菊は思わず言葉に詰まった。照れ隠しに悪態を呟く。

「大丈夫や、もう少し待っとって?」
「何よ、自信ありげに…」
「うん、乱菊との子供の事考えたら、頑張れる」
「……そっか」
 今の周りの影響もあるのだろうが、一度口にしたら無性に欲しくなってきたのだ。
 それを目標に体を鍛え直し、今度は乱菊だけの為ではなく、視野を広げて他の人の為にも護ろうと思えてくる。

「うん、あとちょっとやと…」
「…まあ、そうかも。最初は全くだったけれど、今はちゃんと反応が良くなってるものね」
「ん。筋肉とかもだいぶマシになってきたし」
「そうね。骨ばってた時はちょっと痛かった」
「あ、ご免な…腰骨とかでっぱってたんは気づいとったんやけど…」
「いいのよ。それくらい」
 やっと抱き合える喜びの方が上回っていたのだから。

 これから先もこうして共に居たいと望むのなら、真面目に体を鍛えるだけでなく、死神として勤めを果たさなくてはならないのだ。

 互いの体温を確かめあうように、布団の中で抱き合う。
「……温かいなぁ…」
「…うん…」

 二人は互いの温もりに何時しか安堵感を得て、静かに眠りについたのでした。



[*前] | [次#]

[表紙へ]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -