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「何を言って欲しいんだ?」
リサが喜ぶような甘い言葉など思い浮かびもしないし、春水がリサを褒め甘やかした所で喜んでいる所など見たことがないのだ。さも当たり前といった表情でいるか、嫌悪の表情を向け蹴りあげているかのどちらかなのだから。
幸いなことに、足癖の悪さは今のところ拳西に向けられることは殆どない。
「ん、んっ」
リサは唇を引き結んで鼻を鳴らしながら拳西の首にしがみ付いていた。
足は無意識に開けられ、もっと触って欲しい、奥を探って欲しいと言わんばかりだ。
「…リサ、苦しいって」
腕の力が篭り過ぎていて、結果首を絞められている。耳を軽くかじり文句を言うと少しだけ力が緩んだが、何も返してこない。
拳西は手探りでリサの秘められた場所を触り、指を蠢かす。
「ん…く…ぅん…」
やがて水音が立ち始め、リサの息も荒くなってきた。
「んあ…は…っ…」
「…おい、いいのか?」
拳西も軽く息を弾ませる。手探りだけという状況は受け手の方だけでなく、攻め手の方も興奮してしまうものなのだ。
「…何や、もうこんな、おったてとんのか?」
リサは足を上げ、拳西の硬く逞しく袴を持ち上げている身を、器用に足の裏で擦る。
「こらっ」
行儀悪い足首を掴むと椅子から立ち上がり、リサを椅子へと降し足の間に滑り込んだ。
「…素早いなぁ…」
頬を赤く染め、目はとろりと快楽に酔っているかのようだ。少しばかり口元がほころんでいて濡れた唇を舌で舐めている様子は、誘っているとしか思えない。
「期待してんだろ」
拳西は黙っていろと言わんばかりにリサの唇を奪い、自分の袴を慣れた手つきで解き、下帯も解き、リサの胎内へと潜り込んだ。
「んん!!」
「ん…ほら見ろ、期待してんじゃねぇか」
口角を上げ指摘すると、リサが眼鏡の向こうから鋭く睨み上げた。
「京楽隊長みたいなこと、言うなアホ!!」
「何だと!?」
どうやら今夜のリサは素直ではない様子に拍車が掛っている。繋がったまま、鋭く息を吐き出すと拳西は気持ちを落ち着かせた。怒りのまま、このまま事を勧める気はさらさらない。
「乱暴にしてほしいのか?」
顔を見ないように耳元に顔を寄せて尋ねる。正面から見据えて問い質した所で素直に答えるリサではない。だが、顔を見せなければちょっとだけ素直になる。
「…ん…」
首に腕を回し足を腰に回し、小さく頷いた。
屈みこむような姿勢で固定されてしまい、拳西は苦笑いが浮かぶ。
ゆるゆると腰を動かし始めたもののやはり動きにくい。拳西は大きく息を吐き出すと、リサのお尻を掴むと軽々と抱き上げた。
「あんっ…ん…ふあ…」
奥深くまで潜りこまれ思わず声が上がる。
「良い締め付けだ」
「…ん…拳西…動いてや」
「おう」
拳西はリサを抱え上げたまま腰を力強く突き上げ始めた。その勢いでリサの腰が浮きあがり重力に逆らうことなく腰が落ちる。
「ああっ、あっ、あっ」
だが、抱えたままでは拳西の腰があまり自由に動かせない。そこでリサから離れることなく片足を下ろし、向きを変えると両手を机につかせた。
背後に回り腰を掴むと少し下から突き上げる格好になった。
「ああんっ、これ、すごっ」
堪らず机に伏せ喘ぎ声を上げる。この時までリサの死覇装には少しの乱れもなかったのだが、拳西の手が動いた。項から垂れている三つ編みを避け、項に唇を押し付けながら身八つ口から手を滑り込ませまろやかな膨らみを掴んだのだ。
「ふあ…あ、あっ」
「同時攻めに弱いよな」
耳元で意地悪く囁き耳朶を軽くかじる。
「ああっ、あ、もっと」
可愛らしくねだるリサを見て、拳西は素直に従った。両手で揉み上げながら腰を突き上げたのだ。
「ああんっ」
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