長編 | ナノ

 チャラいだけじゃないのよ蟹座は〜

「あぁ…レグルス…」

あんなに可愛いのにシジフォスの様になってしまうんだろうか?
あの黒いオーラはそくっりだもんなぁ。
でも、本当初々しくて可愛かった。。シジフォスも見習ってほしいわ!
キスしてきたし!しかもベロチュウだし!うっかり気持ちよくなってしまったし!

「あぁ!!もう!!」

思い出さないように 自分の頭をボコボコと殴る

「な、なんだ?美の女神さんは自虐癖でもあるのかよ?」
「へ?」

瞑っていた目を開けると目の前に…

「あ!!!あのチャラ男!」

黄金聖闘士の中で一番不真面目そうな人がいた

「あぁ?何だそのチャラ男って?どうやら褒め言葉ではなさそうだな?」
「ピンポーン!正解!不真面目そうで女にダラシナサそうな感じがプンプンする。」

よくできましたと言わんばかりに拍手しながら説明すると

「正解しても嬉しくねぇよ馬鹿」

といいながらチョップをしてきた

「あ、いたーーー!何すんのよ!いきなり!」
「テメェが悪いんだろうが。なーにが不真面目で女にだらしなさそうだ!」
「え?違うの?」
「違う!だいたいなぁ、女にうつつを抜かす暇なんてねェっての!」
「へー!そうなんだ!」
「任務、任務、鍛錬、鍛錬ばっかだしよ!お師匠さん。あっ、あの仮面被ったおっさんな!あの師匠の目が光ってるうちは何もできやしねェ!」
「へー。じゃぁ、未経験なわけか。」
「あ?んなワケあるか!お師匠さんの目を盗んでな〜。」
「へぇ〜、それだけで他とはヤッテないの?」
「んなわけねぇだろ!男ってのは定期的にしないとだなぁ。」
「溜まるもんね〜その場合は?」
「ん?気に入った侍女をだな。」
「ほー連れ込んで。ヤッチャウワケか〜。」
「そうそう!っておまえ!!何言わすんだ!計ったな!!頭悪そうなクセに!油断ならねぇ!」
「アホか!あんたが勝手にペラペラ喋ったんだろうが!あんたの方が頭悪そうよ!」
「ああ!?やんのか?コラっ!」
「やってやろうじゃないのっ!」

ガンを飛ばしあう二人

「クっ…」
「プっ…」

でもすぐに二人とも笑ってしまった

「負けん気の強さ!いいじゃねぇか!気に入った!」
「ふん、そらどうも!にしても、何かあんた気さくねぇ。他の人はたいがい様をつけたり敬語だったりしてたけど。」
「あぁ?まぁ、広間で名で呼べって言ってたしなぁ。女神って畏まられて特別扱いされんのが嫌そうに見えたからな。」

へぇ…この人…

「何も考えてなさそうで考えてんだ。」
「アホ。俺を馬鹿にするな!まぁ、会う前にお師匠さんからオマエの事は聞いてたしな。」
「え?」
「何か、他の世界からやってきたんだろ?慣れない事とかあるだろうしな。まぁ、何かあれば俺でいいなら相談とかのるしな。」

そう言いながら頭をクシャクシャっと撫でた

「もう!何すんのよ!まぁ、その、ありがとう。ええと?名前…」
「あぁ、まだ名乗ってなかったな俺は蟹座のマニゴルドだ。よろしくなっ!」
「うん、よろしく!んで、マ二ゴルドありがとう!」

ニコッと笑うとマニゴルドの顔が赤くなった

「オマエ…不意打ちは卑怯だろ…」
「え?何?」

ゴニョゴニョと何か言うもんだから聞こえない

「な、なんでもねぇよ!ところで、他の奴らとはちゃんと話せたか?」
「え?そうねぇ…」

今まであった事を全部マニゴルドに話した。
アルバフィカの事は本当にアイツが女だったらなぁとしみじみと言っていた
コイツは女だったら何かする気なんだろうか?

シジフォスやカルディアの話のときはあたしが怒りで興奮するのを ドウドウと馬を宥めるように宥めてくれた(笑)

「なかなか打ち解けてんじゃねぇか?」
「そう?そうだといいけど。でも、あの二人とはあまり打ち解けたくないわ。」
「はは。カルディアはなぁ。なかなかの問題児だからな。」
「でしょうねぇ。」
「まぁ、一番タチが悪いのはシジフォスだな。」
「だよね!!!」

他愛もない話をしながらマニゴルドと過ごす
でも、凄く楽しい
最初は、チャラそうで仲良くなれなさそうだったけれど話してるとそうでもない。
なんか、前の世界で男友達と話す そんな感覚

「おい。いいのか?」
「え?何が?」
「オマエ、皆に挨拶するんだろ?早く次ぎ行かねぇと日が暮れるぞ?」
「え!?あぁ、そっか そうだった!」
「まぁ、俺はいいけどな。楽しいし。オマエを独り占めできるし。」
「え?」

楽しい?独り占め??
思わぬ言葉にドキリとする

「な、何言ってんのよ!」

顔が赤くなっていってるのがわかるからマニゴルドを見ないで言う

「ホントだって!また、来いよ。」

そう言いながらまたクシャクシャと頭を撫でる

「もーう!!マニゴルド!」
「はは、怒るなって!可愛い顔が台無しだぜ?」
「―ッ!?」

ウィンクしながら言うマニゴルド…
イケメンのウィンクはいかんでしょうよ!反則でしょうよ!!

「はは、何 赤くなってたんだよ!可愛いとこあるじゃねぇの?」
「う、うるさい!!手どけてよ!」

恥ずかしくてマニゴルドの手を払いのける

「はいはい。んじゃ、気をつけて行けよ?まぁ、この先は危険な奴らじゃないけどな。
遅くなったら俺のとこに寄れ送っていってやるよ。」
「マニゴルド…」

なんて優しいんだろう…
なんていうかさりげない優しさ…こういうのに女は弱いんです!!!!
特に弱ってる時なんかイチコロだわ!!!
マニゴルド…恐ろしい子っ!!

「まぁ、タダじゃ送ってやんねぇけどな!」
「はぁ?」
「当たり前だろ!そうだなぁ〜。キス…とかどうだ?」
「却下!」

もう!!なんなのよ!せっかくキュンとしたのに!!!台無し!

「ケチだなオマエ。」
「うるさい!じゃぁね!!バイバイ!!」
「あぁ。じゃあな。」

そう言いながらマニゴルドは歩き出すあたしを引き寄せ
髪の毛にキスをした

「な、な、な、何すんのよ!」
「あ?何となくだよ。何となくしたくなったからしたんだよ。」
「なんとなくで行動するな!」
「本能に忠実な男なんだよ。俺は」
「猿かっ!!もう、知らん!行く!!」
「ククっ… あぁ、じゃあな!」

笑うマニゴルドを無視しながら階段を降りる
あぁ!もう!心臓に悪い男ばっかりだ!!




「行ったか…」

他の世界から来たらしいから 落ち込んでるんじゃないかと思ったが…

「大丈夫そうだな…」

にしても、変わった奴だ。
こっちの世界の女はあんな風に汚い言葉を使う奴もあんまりいないし
ツッコミも的確だし、性の女神のワリにウブだし 真っ赤な顔して怒る姿は可愛い

「これから、退屈しなさそうだなぁ〜。あ、あいつ酒飲めるのかぁ?」

もし、飲めるなら 一緒に酒を飲むことにしよう
あいつと一緒に飲む酒は今まで飲んだどの酒より美味いだろう そんな気がする…

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