長編 | ナノ

 乙女にトキメケっ!

「う〜ん…本当にやり合ってるな…何か申し訳ないな。。童虎…」


あぁ、童虎に撫でられたところがなんかむず痒い…しかも…なんだかドキドキもまだしてるし…


「あー!!やめだやめだ!!!考えるのやめた!!次だ!次!」


叫びながら次の宮に入る


「なんか…めっちゃ静か…気配はあるのに…」
「ほう?私の気配がわかるのかね?愛の女神アフロディーテよ。」
「ほわ!??」

童虎といい心臓に悪いわ!!!いきなり後ろから声かけてくんなよおぉーー!

「随分と間抜けな声だな…」
「び、びっくりしたんです!!!」
「気配を感ずる事ができるのなら驚く必要もないはずだが…」
「わ、悪かったわね!!気配はあっても急に声かけられたら普通驚くし!」
「ほう…私の様に目が見えぬわけではなかろうに…随分と無能な女神だ」


―カッチーーン!


「なんかすっごく嫌な言い方!馬鹿にしてんの?!」
「その通りだ。何だ物分かりはいい方なのだな。」
「ぐっ!」

なんて正直な…そしてすんげーバカにされている…実際 バカだけどもねっ!

「本当に愚かな女神よ。アテナもそうだが何故 人の生に落ちたのだ?神のままの方が苦しまないであろうに。」
「えー??アテナは知らないけど〜。あたしは、黄金聖闘士が気になったからかなー?」
「……それだけか?」
「それだけだ。」
「……阿呆としか言いようがないな。」
「どーも、誉め言葉をありがとう!それと、人間になったからって別に苦しんだりしてないけど?むしろ楽しかったけど?」
「私が感じる世には迷いや苦しみしかない。そんな世に転生してどうなる?冥王の手によって滅びた方がいいと思わんかね?」

うっわー。何か凄くネガティブ??

「そりゃー、楽しいことばっかりじゃないけどさぁ。でも、生きてたら楽しいことあるよ?」
「ほう…例えばなんだね?」
「えー?!まぁ、美味しいもの食べたり。遊んだり。綺麗な景色とか見た時とか。好きな人ができたりした時とかめっちゃ楽しいね!子供を産む幸せだってある。」
「くだらぬ理由だな。」

ムカつくー!!!
で、でもこのお兄さん目見えないんだよね…景色もわかんない。
好きな人ができても顔見れない…悲しいよなぁ。それに、目が見えなくて普通よりも色々と感じるんだろうし…

こうなりゃあれをやるしかないっ!上手くいくかはんかんないけど!


「ちょっとごめんねー!えいっ!!」

―グサッ

「な、何をする!?」

指に小宇宙を集めてチョキで目を刺した(軽く)驚いて目が開くお兄さん

「どうよ??」
「……何故だ?何故……目が…」

何度もパチパチと瞬きするお兄さん。
目が見えるようになってめっちゃ驚いてるわ!

「だから、女神ナメんなー!あのさぁ、目が見えない分 世の中の悲しい事ばかり感じてしまってたのもあるんだろうけど…ちょっとこっち来て。」

お兄さんの手を引き外へ連れてく

「……」
「景色どう?綺麗じゃない?」
「綺麗…だな。」
「確かに、貧しい人もいれば裕福な人もいる。悪い人だってたくさんいる。でも、いい人だってたくさんいる。生きてんだよねー。あたしも難しい事はわかんないけどさっ…どう?お兄さん?あたしと楽しい事とか人を守る為の理由とか一緒に見つけない??愛の女神だからね!損はないと思うぜっ!(キラーンッ)」

どうだっ!シジフォス並みな爽やかさで言ったぜっ!

「………」
「駄目…っすか?」

格好よく言ったつもりだけど反応がないっ!!
うぉー!恥ずかしいぞ!悲しいぞ!

「よかろう…。乙女座のアスミタ。君と共に…探してみようではないか。」
「いいのっ!?」
「君が言いだしたことだろう?何故そのように驚く?」
「いやー、反応乏しいし…。」
「私の目を治せた事にも驚いたが。それ以外にも君の考え方があまりにも前向きな事にも驚いていた。無能だと罵った事を詫びよう。」
「いやー、そんなに畏まられても困るー!とにかく楽しいことも見つけよう!アスミタ!あたしは名!ヨロシク!」
「あぁ。」

アスミタがすんごい綺麗な顔で笑った…
やばい… は、鼻血がでそう!綺麗過ぎる!!

「どうしたのだ?」
「鼻血がでそうになるぐらいアスミタが綺麗だと思って…みとれてた。」
「クッ…、私は自分の容姿を見たことがないからわからぬが…君の方が美しいと思うが?頭の方はやはり良くないみたいだがな。」
「一言多いっ!」

軽く鎧をコツくとそっと手を握られた
えぇぇ!?急になにー!?

「名…君といると退屈しなくてすむであろうな。」

そう行って手の甲にキスされた

「ちょっ……!?えっ…!?」

なんで!?キス!?教皇にされた時はドキドキしなかったけどアスミタは無理!綺麗すぎるよー!

「照れた顔も美しいな。」

それは貴方です!そんな顔で見つめられたら…堪らないじゃないかー!!鼻血出る前に離れなくちゃー!

「いや…あのっ…!あたし、次行かなきゃ!じゃぁね!」

アスミタの手をやんわりどけてダッシュで下へ!!

「気をつけるのだぞ!」
「は、はーいっ!!」

なんか、最初は難しい人かもって思ったけど…
凄く優しい人なんだなーと思った。
乙女座のアスミタ…これから会うときはティッシュ持参しよ。。





「騒がしい女神だ…」

だが…不思議と不快には思わない
寧ろ心地いいと思える
君は、光のない世界に光をくれた

「共に探そう…か」

ならば、私は常に君の傍にいよう 君を闇から護ろう

「それが、私の戦う理」

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