長編 | ナノ

 天然天秤に気を付けろっ!

「はぁ…何だか…皆 キャラ濃いな…」


今、会ったのは四人か…あと何人??
あと、八人か……


「さーて!お次はっと?」

ちょっと身構えながら次の宮に入る

「おー!アフロディーテ様ではないか!」
「わぁ!?」

後ろから急に声をかけられてビビってしまったじゃないか!!

「はははっ!そんなに驚く事でもなかろうに!」
「小心者なんです!!」
「はは!そうなのか?それはすまなかった。」
「いえ…」

ニカっ!とメッチャいい笑顔で言うもんだから調子狂うなぁ。

「それで、アフロディーテ様はわしに何か用かの?」
「あっ!いや、皆に挨拶しようかな?と思って…」
「おぉ、そうだったのか!わしは天秤座の童虎と申す。東洋人じゃ。今のアフロディーテ様と一緒の人種じゃ!」
「みたいだね!んじゃ、同じ東洋人だし仲良くしてね!あたしの事は名って呼んでね!」
「うむ、承知した。」

わぁ、この人…なんかメッチャ素直だし…
凄くいい人っぽいなぁ。。顔も日本人と変わらないし落ち着く〜!けど、喋り方がちとジジクサイ(笑)

「童虎って何歳?」
「ん?16歳。おぬしは?」
「あっ!童虎あたしと同じ歳だっ!あたし16歳!」
「そうか!もう少し下かと思っておったが同じ歳か!」

それは…あたしが子供っぽいという事か?あんま嬉しくないな。。

「まぁ、これから宜しくね!」
「ああ、おぬしはわしが命に代えても守る!」



―キュン


キュン!??

あ、あたし今ときめいちゃったよ!!守るって言われてときめいてしまった!!
アテナを守るって意味と同じなのはわかってんだけど…やっぱドキッとするね。。

「しかし、先ほどの小宇宙の感じだと守られる側になってしまうかもしれんがの!はは!」
「ああ…さっきはね…つい…」
「何があったのだ?」
「あー。カルディアがね…変なことしてきたから」
「?変な事とはなんじゃ?」
「寝転んでるあたしにいきなり覆いかぶさってきたり、胸触ってきたりしたからさ!ついね!」
「ほぅ…それで…うむ見事な小宇宙じゃった!」
「はは、ありがとう。」
「しかし、何故胸など触ったんじゃ??」
「エッチな事したかったからじゃない?」
「…エッチとはなんじゃ?」

え??

「なんじゃそれは?」

ええええええええええええ!!
16歳だよね??16歳といえば盛ってる年代でしょうが!!
はっ!?からかってんのか??

「え?マジで??知らない?」
「??知らんが…怒るということは悪い事なんじゃな?」

マジか!!??マジなんだな!童虎よっ!!

「いやー??悪い事では…愛し合ってる二人がする場合は悪い事ではないよ?」
「愛し合ってる者どうし?」

おお、益々 顔が??になってる!!どんだけ疎いんだ!!

「ほら、愛の営みよ…子供つくる為には大切な行為だから。。」
「!???」


お??なんだか童虎の顔が真っ赤になったぞ

「童虎??」
「いや…その…意味がわかったのじゃ」

ああ!!!営みでわかりましたか!!!!!
すんげー真っ赤だよ!童虎!
なんて純粋なんだ!!カルディアとシジフォスに見習わせたい!!!

「うん、そういうことをされそうになったんだよ…」
「大変じゃったの…。」
「!?」

ポンポンっとあたしの頭を軽く叩いた後優しく撫でてくれた

「っつ…//子供じゃないんだからっ…」
「ははは!そうじゃった!うむ…しかし…カルディアはおぬしの事が…好きなのかの?」
「いや〜、そうじゃないよ。ただ単に欲求不満っだったんじゃない?」
「……それはいかんの…」

んん??童虎の小宇宙が怒ってるぞ??

「童虎??」
「ちと、カルディアに物申してこようかの…」
「え??いいよ〜!デジェルもあいつの事凍らしてたし…」
「当たり前じゃ!おなごにそのような事をいきなりするのは失礼じゃ!それだけではすまん!!」
「まぁ…そうだけど…そこまでしてもらわなくても…」
「さっき、名を守ると言うたじゃろ?」

そう言って笑った童虎の顔が男らしくて…逞しくて…

「ではな!名は次の宮に行くのじゃ!」


そう言うと童虎は消えてしまった…足早っ…!ってか…

「また、ときめいてしまったじゃないか…」


なんか童虎…違う意味であたしにとっては危険だ…キュン死にしてしまう

「童虎か……。今までにいないタイプ…」

童虎が向かった方を少し見て…それからあたしは次の宮に続く階段を下った






「廬山百龍覇!!!!!」


「なっ!??いきなり何すんだ童虎!!」
「おぬし!!名にした事忘れたとは言わせんぞ!!」
「あぁ!?アイツ喋りやがったのかっ!チッ!」
「自分の欲の為に名に淫らな事をしおって!だいたい、そういう事は好いておる者同士がすることじゃ!」
「ああ?好きならいいのかよ??」
「!?」
「お前の言い方だとそうなるよな??」
「……それでも許せんっ!!名は怒っておったしの!」
「嫌も好きのうちってな!スカーレットニードル!!」
「……!??好きな様には見えなかったがのっ!!!」
「チっ!デジェルといい童虎といい…あいつを守る騎士様がいっぱいだな!」
「守るのは当たり前ではないか!」
「ハーデスからは俺だって守るぜ?だが、あいつは俺のモノだ!外野がごちゃごちゃうるせぇんだよ!それとも何か??童虎!お前もあいつが好きなのかよ?」
「何をっ!!?」
「じゃなきゃ、そんなにムキになる必要ないだろ!?」

童虎の動きが止まる


「オーロラエクスキューション!!!!!」
「「!??」」

そこへデジェルが止めに入った


「二人ともいいかげんにしろ!!!!」
「チッ…」
「……ちと…熱くなりすぎたかの…」

どうしてこんなにムキになったのか…よく自分でもわからなかった…
ただ…「同じ東洋人だし仲良くしてね」そう笑った彼女の笑顔を守りたいと…そう思っただけのはず…
だが、カルディアが自分のモノだと言った時に感じた強い憤り…焦り…自分以外に触れさせたくないという思い…



「この気持ちが……恋…なんかの?」



童虎の初恋…16歳 聖戦が始まるちょっと前… 相手は愛の女神…名


「だから!そう言ってるだろうが!この鈍感野郎!言っとくがあいつは俺のだからな!」
「お前のモノではない。私の伴侶になる方だ。」

ふう…どうやら…わしの初恋は前多難のようじゃの…
まぁ、わしとて名を誰にも渡す気はないがの…誰が相手であろうと…

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