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あのひとは、悪魔(純愛タイプ)

悪魔な仗助くん。パロ注意!!!
わら吉様のイラストに文をつけさせていただきました!!!





「ひ、ッ…!?」

窓辺の月明かりを受ける人影に、思わず息を飲んだ。一人暮らしのこの家には私以外いないはずだし、仮に誰か人間だったとしても、こんなツノと羽根が付いた知り合いはいない。なんだこれ。でも。

「…綺麗…」

私の呟きに反応するかのように、目の前の人(そもそも人間かわからないけど)はゆっくりと振り向いた。赤い瞳が月明かりを写し取って、キラリと輝く。

「…あんま驚かねーのな。」

「…いや、十分驚いてます…けど…?」

どこからどう見てもツノと羽根と尻尾が生えたお兄さんだ。なんで部屋にいるのかとか、そのツノはどうしたのかとか、なんか色々ありすぎて脳味噌がショートしている。

「……あのさぁ、お願いがあるんスけど。」

「え、いや待って、その前に…あなた、誰ですか…」

これほどの不審者を前に、言うに事欠いて「あなた誰」とは私の脳味噌はポンコツなのか、などと考えながら目の前のお兄さんを眺める。羽根の付け根はしっかりと肌にくっついていて、あれ、もしかして本物?なんて。

「…俺、仗助っつーんだ。…悪魔なの。」

「仗助くん、で…あく、ま、」

悪魔、と私はもう一度呟いた。悪魔っていうと、願い事を叶える代わりに人間の魂を奪うとかいう。
私の思考はそのまま唇を割っていたらしく、目の前の「仗助」と名乗った青年は笑いながら頷いた。

「…そーそー、でも俺はチコッと違くってェー」

人懐っこい笑顔を向けられて、思わず心臓が跳ねる。上から下までどこからどう見ても悪魔のくせに、そんな子供みたいな笑顔ができるなんてズルい。

「…えーっと、言いにくいんスけどォー…俺、アンタと…セックスしに来たんス。」

「…へ?」

なんで私の名前、っていうか、え!?セッ…!? もはやパニックに陥るしかない私を、彼は照れたように笑って見つめている。

「あ、の、ちょ…ッ、よくわからない…ん、ですけど…」

「えっとォー、俺、淫魔っつーヤツで、16んなったら一人で魂奪いに行かなきゃあいけねーんスけど、」

インキュバス、という単語はなんとなくだけど知っている。人間を誘惑して、精を搾り取るっていう悪魔。

「最初は、アンタがいーなぁって、ずっと、思ってたんス。」

だってやっぱハジメテは好きな子がいーし、と、恥じらいながら頬を掻いて仗助くんは言った。

「いやいや、待って待って!」

勝手に好きとか初めての相手とか、決められても困るよ!と声を上げれば、仗助くんは「殺したりはしねーからさァ…」とまるで捨てられた犬みたいな顔で私を見た。ぱたりと畳まれる羽根が、まるで子犬のしっぽみたいだ。

「…急にッ…そんなこと言われても…、」

私だって、彼とそう変わらない年だ。先日高校に上がったばかりで、男性と身体を重ねるどころかお付き合いすらしたことがない。

「…どーしてもだめ?」

「…だめ、です…」

仗助くんはすこし背を屈めて、俯いた私の顔を覗き込む。顔を見れなくて目を閉じて頭をぶんぶんと降ると、彼は困ったような声で言った。

「…こーいうのはァ…趣味じゃあないんスけど…」

仕方ねーな、と囁いた声が、やけに近くで聞こえた。驚いて目を開けると、仗助くんの鈍く光る瞳が、私の視界いっぱいに広がっていた。なに、これ。

「…え、…ッ!?」

視線が合っただけのはずなのに、脳味噌に直接何かを叩き込まれたような衝撃。ぐらりと倒れ込む私の身体を仗助くんは簡単に抱きとめ、そのままベッドに転がした。

「…セックス、したくなった?」

ちゅ、と首筋に唇が触れただけなのに、私の身体はその意思に反してびくびくと跳ねた。
自分でも聞いたことがないような甲高い声が、静かな夜を陥落させていく。

「…ぅあ、ッ…なに、じょ、すけく…」

「俺、淫魔だから。…ななこちゃんのこと気持ちよくするのなんて、簡単なんスよ。」

そう言うと仗助くんは、私の肌に指先を滑らせ、纏っていた服をはらりと落とした。ただそれだけのはずなのに、触れられた所から甘い痺れが広がっていく。

「んッ…や…ぁ、あぁ…」

身体の中からぐずぐずに溶かされていくみたいな感覚が怖くて、目の前の仗助くんにしがみつく。彼は私の視線に気付くと、大丈夫だから、と耳元で囁いた。

「…かーわい。大好きっスよ、ななこちゃん。」

そう言うと仗助くんは、露わになった私の肌に触れた。脇腹をなぞり、胸を撫で、時折爪を立てる。仗助くんの手が触れた所が、熱い。

「ぅあ…仗助く…、やぁ、ッだよ、怖い…っあ、」

戸惑う心が置き去りにされているのに、身体は勝手に知らない快感を拾っていく。本当なら怖いだけのはずなのに、仗助くんのせいで、身体がおかしい。まるで自分が自分じゃあなくなってしまうみたいで、怖い。

「…怖くないっスよ、気持ちいいだけだから。…チコッとだけ…今夜だけでいいから、俺に付き合って。」

そう言うと、仗助くんは私の身体の中に指先を沈めた。ぐずぐずに蕩けたそこは、まだ何も受け入れた事がないにも関わらず、容易に彼の太い指を飲み込んだ。

「あぁァッ、ん、ぅ…あ!」

ぐちゅ、と水音を立てて掻き回される度に、目の前が白く弾けていく。こんなのおかしいのに、私をおかしくする張本人に縋るしかないなんて。

「すげー、可愛い。…ね、気持ちいーだろ?」

「っふ、ぁ…ッ、やぁっ、あ、ッあ」

「…返事もできないんだ?…でも、まだこれからっスよ…」

仗助くんは私の足の間に身体を割り込ませ、猛る熱を押し当てた。熱い塊が身体を割り開いて押し入ってくる。先程までとは比べ物にならない快感が、背筋を駆け抜けた。

「あぁっ、んぅ、ッあ…ゃあぁァッ!」

意に反してがくがくと震える身体を、仗助くんが抱き締める。開きっぱなしの唇を塞がれて、息すらまともにできない。

「すげ、気持ちい…ッ、」

仗助くんは私の唇に流し込むみたいに吐息混じりの言葉を零し、私をぎゅうと抱き締めた。そうして私のことなんかお構いなしにその欲望を打ち付けた。身体の奥までぐちゃぐちゃに掻き回される感覚に、何度も意識が飛びそうになる。

「…ぅあ、あぁッ…じょ、すけく…ッ、んっ、」

「…ななこちゃ、んッ、」

気持ちいい、とか可愛い、とか、そういった類の言葉の意味が分からなくなるくらい、仗助くんは何度も何度も私も耳元に吐息を落とした。

「あぁっ、や、ァっ、も…やぁあぁっ、ん、やっ、あ、やらぁっ、」

気持ち良くてどうしていいかわからなくて、抑えることもなくはしたない声を上げながら、必死に仗助くんにしがみついた。ぐるぐると逃げ場を求める熱が、私の身体の中を巡る。

「…ななこちゃんッ、好きっス、…だいすき…ッ」

「あっ、ぅあッ、じょ、すけく…んぁ…っ!い、ッああぁッ!」

一際深く穿たれて、目の前が真っ白に弾ける。びくびくと跳ねる私の身体を縫い止めるみたいに、仗助くんは私を抱き締め、ぶるりと腰を震わせた。

「…ッ、う……」

ずし、としなだれ掛かる身体にそっと腕を回した。指先に羽根が触れる。知らない感触だな、なんてぼーっと考えながら、そっと撫で下ろした。

「…ななこちゃん、大好きっスよ。」

ちゅ、と音を立てて唇が落とされて、今更ながら恥ずかしい。隠れるように仗助くんの胸に擦り寄ると、彼は幸せそうに「ごちそうさま」なんて笑った。






わら吉様のイラストからの妄想ですー。
ありがとうございます!!!


萌えたらぜひ拍手を!


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bkm