甘美なほど甘い誘惑

俺と光ちゃん


共通点なんてポジションが同じPGなだけだけど


そんな俺達、実は付き合っています


初めて光ちゃんを見たのはIHの誠凛戦だった


俺はスタメンでコートの中から観察してたけど


ベンチでがんばって応援する光ちゃんの真っ直ぐな姿に惹かれた


俺の隣にいるのはツンデレでわがままで頭の固いエース様だったから


その姿は新鮮でなぜか目を奪われた


それからは行動あるのみと思い、試合後のお店で再会した時にメルアドを交換した


そのときの嬉しい気持ちが顔に出ていたのか光ちゃんに頭を撫でられた


撫でた本人も無意識だったみたいで驚いていた


このときから俺は光ちゃんに夢中になっていたみたいだ


だって、今だってこんなに


「高尾?どうしたの?気分悪い?」


慌てながら聞いてくれる光ちゃんが大好きで誠凛の人達が羨ましい


あの人達はこんな光ちゃんをいつも見れるんだよな


「何でもないよ」


にこっと笑いこの場を流せたと思ったけど光ちゃんには効かなかったみたいだ


「本当に?だってさ、高尾…顔色悪いよ?」


やっぱり光ちゃんの前では平静を保てない


「あのね、光ちゃん」


「うん」


俺の方を真っ直ぐ見て話を真剣に聞こうとしてくれる光ちゃんが狂おしいくらい愛おしい


「誠凛から出て秀徳に来ない?」


「…えっ?」


俺の言葉に驚いた光ちゃんは一瞬目を見開いた


「だって、光ちゃんと休み以外会えないし、電話やメールじゃ足りないんだよ」


俺は俯きながら光ちゃんへ話しかけた


このときの俺は言葉とは裏腹に笑っていた


光ちゃんには見えない位置で笑みを零す俺を知ったら光ちゃんはどうするんだろうね


拒絶するかな?


でも離してなんてやらないから


「高尾」


俺が狂ったような思考をしている中、光ちゃんが俺に呼びかけた


「なぁに?」


俯いたまま返事をする俺に


「高尾は俺に来て欲しいの?」


「……えっ?う、うん」


「そっか、高尾が俺のことそんなに好きだったことが知れて良かったよ」


その言葉を聞いて光ちゃんがどんな顔をしてるのか気になり、顔を上げた


俺の視界に入ってきた光ちゃんは嬉しそうに笑っていた


「こう、ちゃん…?」


「俺も高尾が大好きだよ!高尾といつも一緒にいたいし、隣で笑ってて欲しい」


光ちゃんも俺と同じ気持ちだったことが嬉しかった


「でもね、俺、誠凛のみんなも好きなんだ」


光ちゃんが俺に笑いかけてくれた笑顔で俺以外のことを思っているのが憎かった


「誠凛のみんなでするバスケが好き」


俺以外の話をしないでよ…じゃないと俺その人達のこと…


「でも、忘れないでよ。俺が一番好きなのは高尾なんだからさっ!」


照れくさそうに言う光ちゃんの笑顔と言葉に俺のどす黒い感情は鳴りを潜めた


「…えへへっ、嬉しいよ。光ちゃんがそう思っててくれてたなんて」


「あっ、うん。なんか今になって恥ずかしくなってきた//////」


わたわたする光ちゃんが可愛くて、そんな光ちゃんの恋人が俺だと思うと幸せだよ


でもね


これからもずっと俺が一番じゃないとだめだよ?


俺も光ちゃんが一番だし今だって離したくないんだよ?


だから、これからも俺のこと一番に思ってね?


じゃないと


俺以外に光ちゃんの心にいる奴を殺しちゃうかもよ


(それは狂気の沙汰)



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