思わぬ出会い


ストバスのとこで野郎が数人倒れていた


一人の男を残して


そいつは俺の方を振り返った


「あれ?桐皇の青峰くんじゃん」


俺はこのとき面白い奴を見つけたと思った


そいつと会う前、いつも通りストバスに向かっていた


さつきからどこにいるというメールが来ていたが無視した


やっとストバスに着いたと思ったら先客がいた


まぁ関係ねぇけど


一人の男を数人のガラの悪い野郎が囲んでいた


「バスケの勝負に勝ったんだから早く出てってよ、お兄さん達」


そいつは声からして、笑いながら言っていることに気付いた


「ふざけんなよ!お前!!なめんてんのかっ!?」


グループのリーダーなのか一人の男がそいつの胸倉を掴み殴りかかろうとしていた


周りの奴らもニヤニヤしながら見ていたことに腹立ったのもあったが


見ちまったから助けてやるかと思いながら行動に起こそうとした、が


打撃音が聞こえたから絡まれてた奴が殴られたんだと思い顔を上げた


目線の先に倒れていたのは殴ろうとしていた不良の方だった


絡まれていた奴といえば、蹴りを繰り出した体勢のまま


「あーあ、だから早く帰った方がいいって言ったのに」


眉を下げ、少し困った様な顔をしていた


「てめっ!よくもやってくれたなっ!!」


お決まりのセリフを吐きながら残りの数人がそいつに殴りかかりに行った


「はーっ」


溜め息を吐いたと同時に動き出した


無駄のない動きで次々と不良を倒すそいつに目が離せなかった


自然と口角が上がり、そいつに興味が湧いた


短時間で不良を蹴散らしたそいつはまた重い溜め息を吐いた


「全く、今日はついてないなー。そういえば、おは朝の順位低いって言ってな」


ブツブツと独り言を発しているそいつに近づこうとした


「んで?傍観していたのは誰かなー?」


そいつがいきなり俺の方に話題を振ってきたため動きを止めた


こちらを振り返ったそいつは


「あれ?桐皇の青峰くんじゃん」


俺のことを知っていた


このとき、ようやくそいつの顔を見ることができた俺も相手が緑間んとこの高尾だということに気付いた


「お前高尾だよな?緑間んとこの」


「そうだよー。高尾和成ちゃんでーす」


ニコニコとこっちを見ながら笑っている高尾がさっきのケンカの強いやつとは思えなかった


「お前、ケンカ強いっつーかできたんだな」


「あ、うん。真ちゃんは知らないけどね」


口元に人差し指を当てながら


「だから、黙っててね?」


という高尾が悪戯っ子のように笑っていた


「別にいいけどよ」


「ありがと」


「けど、なんでそんなにつえーんだ?」


俺の疑問に少し考える素振りをしながら転がっていたボールを拾った


「うーん…気が付いたら強くなってた?的な感じ」


分かんねぇ、けどそんなあいつにもっと興味が湧いた


「ケンカつえーなら灰崎って奴知ってるか?」


元チームメイトだった奴の名前を出すと


「灰崎とやりあったことあるよ?俺が勝ったけど!」


さも当たり前のように言うそいつに益々興味が湧いた


「お前、おもしれーな」


俺はニヤリと笑いながらそいつを見た


「うわっwwwww悪人顔wwwwww」


俺の顔を見て吹き出したと思ったら失礼なことを言って笑い始めた


「おい、てめぇ…泣かされてーのか?」


そいつは俺の脅しにも屈さずに


「俺に勝てるんならね」


と不敵に俺に笑いかけた


緑間の隣にいた奴がまさかケンカの強い奴だったとはな


あいつが知ったらどう思うんだろうな


俺には関係ねぇけど


だけど俺が興味持ったんだ


退屈させんなよ?高尾くんよぉ


(俺より青峰くんの方がケンカ強いの似合いそうだよね!)



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