小さな女神は砂の里へ




港を元通りにしたマリンは
そこから1日足らずで
木の葉の里を完全復興させた。


火影は内密に進めていたが、
どこからかマリンの噂が広まっていき、
木の葉の里では
「小さな女神が里を救った」と
なんとも微笑ましい噂が広まった。

そして異様な復興の早さに
火影の元には
各地からは応援を求める声が掛かっていた。

「マリン、これから各地をまわって
壊れてしまったものを一緒に治しに行ってくれぬか?
困ってる人がたくさん居るのじゃ。」

『うん!行く!!
ママが困ってる人を助けてねって言ってた!
私も助けたい!!』

「マリン…偉いね」

カカシはすっかりマリンを溺愛している様子で頭を撫でる。

『うふふ!
カカシお兄ちゃんも一緒に行こう?』

カカシはマリンにクリクリの目で見つめられた。

きゅうぅぅぅぅん!!と
目をハートにさせるカカシ。

「うん!行く!!」

5歳の女の子に振りまわされるカカシであった。

火影はその様子をため息をつきながらも
両者心を開いている様子に
ホッと胸を撫で下ろした。

「早速だが、砂隠れの里が
膨大な被害を受けたらしい。
すぐに出発じゃ。」

『すながくれ?遠いとこ?』と
首を傾げたマリンをカカシが
「そうだね、ちょっと遠いから
お菓子持っていこうか〜」
と言いながら抱き上げた。





砂隠れまでは2日掛かった。
マリンも疲れて里に着いた時には
カカシの腕の中で眠っていた。


「火影様!御足労でありました!
風影様もお待ちです!
ご案内致します!」

門には出迎えがあった。
火影が里へ入り辺りを見回すと、
砂嵐で酷い損傷を受けていた。
水も枯れ果て、大地は干乾び、植物も枯れ果てていた。

風影邸へ向かっていると
眠っていたマリンも目を覚ました。
周りを見渡し、枯れた花々を見ると、
酷く顔を歪めた。

「マリン、おはよう。
これから風影様にご挨拶に行くからいい子にしててね〜」

『うん、…ねぇカカシお兄ちゃん…』

「うん?」

『お花さん、元気にしていい?』

「ああ、いいよ」

ぱっとマリンが花に手をかざすと
茶色く変色していた茎は青々と反り立ち、
萎んでいた花弁は鮮やかな色を放った。

その様子を見て、嬉しそうに
微笑むマリンの様子を
偶然目撃してしまい口をあんぐりと開けている
少年がいたのを誰も気づいてなかった。





 

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