船から上がり新しいホームの中に入る。新築の匂いがするが、嫌いではない。前を歩く長官の後ろを姿勢良く歩いていくと、丁度大きな扉に行き止まる。前々に与えられた地図によると、おそらくこの先がロビー、即ち今、アレンが方舟の入り口を作っている場所なのだろう。

長官が勢い良くその中に入ると、静寂に包まれていたその間が一瞬で騒然とざわめいた。リナリーなんかは怯えていて申し訳ない気もしたが、仕事だと自分の気を沈める。そのあいだに、長官はアレンを自分の管理下に置くと宣言して、俺に命じた。

「アスフォード元帥、アレン・ウォーカーを大人しくさせなさい」
「……はいはい」
「な、元帥何を、」

ごめんな、アレン。これも俺の仕事だ。

背後に控えた俺の姿を認めると、アレンの目は大きく見開いた。その鳩尾を狙って拳を突き出すと、彼はぐったりと俺にもたれかかった。

  
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