新しい団服は面倒なのでコートだけ使おうと思う。科学班から受け取ったコートを羽織ってみる。使い勝手が良いようにパーカーと、ナイフとかも入れられるような感じで、と雑に注文したのに完璧に作ってしまうのだからすごいものだ。

「アンタを守るのは納得いかないけど、仕事ですからね」

船の上。仕事、を強調して言うと長官もわかっていますよ、と頷く。分かっているのならばこんな仕事をわざわざ俺に回さないで欲しいのだが。

団服ついでに某爺に作ってもらった両刃剣は俺の左腰に納まっている。俺のほかに鴉が一人居るが、先程挨拶すると新人だということなのであまり期待は出来ない。はああと深く溜息を吐くと、直ぐそこに見える新しいホームを見た。

「何でわざわざ長官がホームに出向くんですか。というか俺を連れていた方が危険だとは思わないんですか」
「……安全と危険は常に紙一重の関係にあるんですよ」

俺を盾代わりにしても、死ぬ時は死ぬのに面倒臭い奴だ。船は新しいホームの中へ入っていった。

  
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