だから、嫌なんだ。たとえ自分から望んだからといって何故、何が君にそうさせるのか。

何故こんな子供が、また戦場に戻らなければならないのか。

「やめろリナリ、」
「貴方にこの“実験”を止める資格がありますか、クリス・アスフォード。こちらに構っている暇が在るならば、貴方はレベル4の相手をしなさい」

伸ばした手は叩き落とされて、空を彷徨う。ぎりりと唇を噛んだ。
嗚呼憎い。俺の所為でまた、少女の命は賭けられるのか。

「ああ、貴方が“あの”クリス・アスフォードですか」
「……そうだと言ったら?」

レベル4はふふ、と笑って言った。腹立つ笑い方だ。

眉を寄せると、ソレは更に嘲笑した。

「ころします」
「やってみろよ、糞ガキ」
「クリスさん……!」

“I know my hope will never come true.”

独りごちて、顔を上げた。ポーカーフェイスとは良く言ったものだ。ひどく呆けるような暑さの中で、俺は不適に笑う。

「生憎、俺は救世主なんでね!」

  Geburah

落ちていた剣を拾い上げて、一閃。

  
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