真田は、俺の目を真っ直ぐ見る。既視感、彼のこの目を、一度どこかで見たような気がしてふと気付く。これは、一年前のあの、俺を求める視線なのだ。



「悩んでいたのなら、俺にでも誰でも相談すればよかったのだ。それをお前は一人で悩みおって。そういうことなら、俺も、れん…柳も協力するぞ」

「……ありがと」



妙に気恥ずかしくなって顔を俯けるが、彼が笑っているのは雰囲気で分かった。大人なのに、大人なのに。からかわれてるのかこれは。うう…

その隙に紛れて意地っ張りめ、と聞こえたような気もしたが丁度タイミング良くぶうんとバイクが走り去ったので聞こえない振りを通した。
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