カーテンの隙間から漏れる日差しで目が覚めた。いつもより日光が入って明るい部屋に怪訝になるものの、俺はうんと背伸びをする。役目を果たさなかった目覚ましを手に取ると、俺は重大な事件に気が付く。



珍しく寝坊した。

俺はこれでも花に水遣りとか色々することがあるから朝は早く起きる。しかし今日ばかりは目覚ましが鳴らなかった。両親は既に会社、若しくはパートに行ったらしくダイニングには光り輝く五百円玉とちょっとした置き書きが残されるのみ。

ちなみに立海は、俺の家から歩いて三十分、自転車で十分の距離にある。今の時刻は七時五十分、行きに昼飯を買っていくことを考えると着くのは遅くとも八時五分程か。そして、HRが始まるのが八時丁度。



残念ながら、何をしても遅刻だった。
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