一ヶ月くらい丸々病院に拘束されていたけれども、ついに今朝、無事に退院しました。

結局のところ、色々調べても俺の回復力の由縁は分からずじまいであったが「まあいいだろう」とのことだった。何が「まあ」なのかも良く分からないが、まあいいのだろう。多分。先生の言うことには今後も定期的に検査入院をしなくてはいけないらしいが、ほぼ免許皆伝、ではないけど大体オッケーらしい。勿論、テニスもだ。

入院していた頃も何度か家に帰りはしたけど、あのときは一晩経ったら病院へ戻らないといけなかった。けれど、もう戻る必要は無いのだ。よかったねえと俺自身より喜んでいる母は、ふと思い出したように俺に言った。



「そういえば、真田君に退院したことを言わなくても良いの?」

「うーん……いや、いいよ。驚かせたいし、退院したとか言ったら花束でも持ってこられそうだし」



ガチガチの固定観念だが、真田はそういうのには拘りそうだ。それに、兎に角、過保護すぎるヤツの鼻を明かしてやらなければ気が済まないのだ。
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