傍に居た蓮二には羨んだことがバレていたようで、彼は困ったようないつもの笑みを浮べていた。



「最近はコントロール出来るようになったから、上手くいったら来年には弦一郎とダブルスも組めるかもしれないな」

「……誰が真田なんかと」

「他に可能性はあるまい」



そう言った後、蓮二はまたあの笑みを浮べて頑張れよ、次期部長殿と言ったものだから、はて俺はそうだったのか成程、と妙に納得してしまったのだった。今回のオーダーを任されたのも先輩方からのいじめかと思っちゃったよ。



「俺、部長は真田か蓮二だと思ってた」

「俺は“参謀”だからな。他に役職はいらないぞ」
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