「実はな、俺の左腕は毒手なんや」



言うと共に左腕の包帯をもったいぶりながら解く。実際にあるのは趣味の悪い黄金のガントレットなので全部解くことはしないけれど、金ちゃんは素直なので俺の言葉に衝撃を受けて固まっていた。



「ど、どくしゅ!? ワイこないだ漫画で読んだで、毒が手に染み込んどって触れただけで敵を殺せるんやろ!」

「……せやなぁ、せやから金ちゃんも大人しゅうせんと、もしかしたら…!」



左腕で金ちゃんを触ろうとすると必死の形相で逃げられる。何だか楽しくなってきて金ちゃんで遊んでいると、いつの間に近くに来ていたのか謙也くんは俺の肩を叩いて首を振った。やりすぎ、らしい。
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