それからというものの、数日間侑士くんに纏わり付かれている。これだとプチストーカーされているみたいだ。プライベートまで入ってくるのは宜しくないのではと思いつつ、隣を見た。

謙也くんだ。最近侑士くんが纏わり付いていることに罪悪感(と言うのだろうか)を感じているらしい。謙也くんは困ったように笑って言う。



「ごめんなぁ白石くん。ゆーしってば一回はまると熱中しちゃうんよ」

「別に、謙也くんが謝ることやないで? こういうのも気分が良い」

「こういうの?」



まるで神にでもなったような気分だ、とは言えずに曖昧に笑った。まあ、侑士くんにとっては崇め奉るべき対象なのかもしれないが、流石にそこまで思い込みは激しくない。

それから黙々と壁打ちをしていると、謙也くんはぼんやりと呟いた。



「白石って、綺麗なテニスするんな」

「・・・・・・綺麗?」



俺が聞き返すと、謙也くんはふにゃりと笑った。



「白石自身が綺麗やから、白石のすることみなが綺麗に見えるんかな」



恥ずかしいやつ、だ。
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