*球磨川禊成代/欺瞞
これこれの設定を詰めた中編を考えているんですがそれです。球磨川先輩がカッコよすぎて長編の筆が進まないので脳内にはびこる球磨川先輩熱を一掃するためにも予告を上げます。需要……あれば私が喜びます。


 球磨川は何故か、生徒会室に入ってもいつものように喋るわけでもなく、少しだけ困ったような笑みを浮べて自分のスチール椅子に座った。挨拶もせずに机に向かった球磨川に最早注意するものは居ないが、それでもどこか違和感が残る。
「今日はえらく静かだな、球磨川。どうしたんだ?」
「『――』」
「ん?」
 球磨川はどうしてか、一瞬口を開いて動かしたのだが、どうしてか声は出ない。ヘラヘラと俺を見て笑った。喋れよ、と若干イラッとしたが落ち着け俺。
「おい球磨川、なんで喋らな――」
「善吉、喋らないのではなく、喋れないのではないか?」
「ああなるほど……ってええ!? 喋れないってどういうことだよ、めだかちゃん」
 めだかちゃんは仰いでいた扇子をぱちん、と閉じると書類から目を上げて球磨川を見据えた。球磨川の方は皆の視線に、居心地悪そうに他所を向いている。そうか、それならさっき声を出さなかったのも納得だ。
「『よく分かったね』か。私は読唇術も出来るからな。さきほど『喋れないんだった』と言っただろう」
 それで、とめだかちゃんは促す。
「どうしてそうなったのか、原因は――昨日の帰りの“アレ”か」
「帰りのアレって……ああ」


※新連載候補
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『球磨川先輩/仮予告※』2013/10/16 Wed 20:00
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