アイドルシリーズ

写真集*
プルルルル

「もしもしどうしたのミドリン」
「今大丈夫か」
「うん!なあに、ラッキーアイテム?今度はなにいるのー?」
「ラッキーアイテムじゃないのだよ」
「お?なになに」
「この前に貰った写真集があっただろう」
「うん」
「実は、オレの部活の先輩がオマエのファンなのだよ」
「へー!どの人?!この前見に行ったよ!」
「何?!いつ来た?!」
「テツくんとことの試合!」
「よりにもよって負け試合を見られるとはな」
「んー、でもどっち勝ってもおかしくないと思ったよ」
「…」
「ちゃんと言って無かったね。おつかれさまミドリン」
「…ああ」
「それで?何だっけ写真集?」
「ああ、そうだその先輩がサインが欲しいんだそうだ」
「どの人?」
「8番の茶髪の人だ」
「あー、あの人」
「頼めるか」
「んー、写真集は会社にお願いしないとないから時間かかるよ」
「大丈夫だ。現物はある」
「えっ、なに買ってくれたの」
「ああ。持っていた」
「それにしてほしいってことね」
「そうなのだよ」
「あっ!じゃあいいものあげる!」
「いいもの?」
「それにサインするよ!いつ渡す?わたし今週はダンスレッスンで遅いんだけど…」
「この前借りたTシャツを返しに行くから遅くでも構わないのだよ」
「そうー?それじゃ来るとき連絡してねー!」







「先輩」
「おう、何だ緑間」
「これどうぞ」
「…こっ、これは…!!」
「なになに真ちゃん何あげたん?」
「なぜこれが!っていうか名前ぇぇぇ!」
「えーっと何々…?『写真集買ってくださってありがとうございます!この前の試合見ましたよ。お疲れ様でした宮地さん!ミドリンがいつもお世話になってます。これからも可愛がってあげてくださいね!吉川紗希乃でした☆』って何コレ?!」
「試合見てたのかよ?!いつ?!」
「誠凛戦です」
「よりにもよって負け試合っ!」
「すげー名指ししてもらってよかったっすねえ先輩」
「しかもこの写真はな…!写真集発売のイベントで売られてた限定発売生写真だぞ!しかも売られてんのは文字が入っていない!名前も文字も入ってるのはオレだけ!!写真にサイン書いてあんのはオレだけ!」
「大体、吉川のファンになったのは最近なのだよ。その写真集が出た頃はまだみゆみゆだったはず」
「うるせー、そんなのググるに決まってんだろ轢くぞ。あとみゆみゆは別腹だ」
「轢くっつか引きますわ宮地サン」


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