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2013 28th Feb.
1年365日
【みんなみんなの一年三六五日】
一年は三六五日。
うるうの年でもなければ十二の月が持つ日の数を集めてそれだけあるわけだが、一日いちにち、毎時間、どう過ごしたかでその一年は違うものになるわけだ。
たとえば彼らはどうなのだろうか。
すこうし覗いて見てみよう。
「短いなー。二月のカレンダーなんて、ほとんど見なかった気がする。」
「二月なんかそんなもんだろ。」
社会人の彼と大学生の彼とが暮らす部屋では、社会人の彼がカレンダーをめくりながらひと月の短さに感じ入っている。
感慨深げな彼の言葉に、大学生の彼はこたつでテレビを見ながらそんなものだと興味は無さげにそう言った。
では彼らはどうだろうか。
「あー、眠い。」
「あべく、電気、消すよ。」
「おー。おやすみー。」
「おやすみ。」
ぱちんと軽い音で消えた明かりの代わり、その部屋には夜が満ちて、やがて健やかな寝息の繰り返しが静かに続く。
では彼らはどうだろうか。
「くー。」
「かー。」
それぞれの家のそれぞれの部屋でもうとっくの寝息がしている。
彼らの夜は短く、朝は早い。けれど一緒に過ごせる時間はそれくらいに長いのだ。
彼らの一年は全く違うが、降り注ぐ時間は全く同じ。
そうして願う事もおそらくは同じ。
このそれなりのしあわせな時間が、明日、一週間、一ヶ月、そうして一年のその先も、細く長く長く長く続いてくれますようにと願う。
その夢の道が続いてゆくのをずっと遠くに見つめながら、しかし足は着実に、そこへ向かって距離を縮める。
素敵な一日を続ける為に、素敵な一日にする為に。
ひたすらの道を区切る線は一年という単位のそれ。
更に細かい升目にはとりどりの色をちりばめて、振り返ればどんな一年だったろうか。
素敵な一年だったろうか。振り返る先も進む先も、また三六五の升目。
でも君と一緒なら、この先もきっと明るい色で満たされるのだろう。
僕の一年は君との三六五日。
―― My1year=Your365days!
一年365題より
2/28「1年365日」
今までのお題から代表を選抜。【社会人浜田と大学生泉】→【大学生阿部と大学生三橋】→【高校生花井と高校生田島】
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