虚空(リヴァイ→ペトラ)
※原作60話までの描写があります。ご注意下さい。








普通の人間なら、熟睡している人間ならまず目を覚まさないであろう微かな靴音にも、俺の意識はそれを聞きつける。昔からそうだったが、最近は特にひどくなっている。
あの歩き方はミカサだな。見張りの交代時間か。眠りについてそこ数時間経ったか経たないか。束の間の眠りでも体力はそれなりに回復しているようだが、心は既に警戒態勢に入っている。
どうせこれ以上寝られはしないのだからと、いつものように、虚空をー今日は崩れ落ちそうな馬小屋の天井をー睨み付ける。
部下を、仲間を喪ったとき、決まってうなされていたというのに、あいつらを、彼女を喪ってからは今日まで一度もそんなことはない。
お前のことを夢に見ることさえ出来ないのか。
…いや、うなされて目覚めてもお前がいないからか。常に動いている聴覚がお前の声を探せないからか。あの声に続いて、視界に飛び込んでくるお前の顔がどこにも無いからか。

星の瞬く外よりも暗い天井の闇に飲み込まれそうになりながら、俺はエレンたちを取り戻すための策を頭の中で練り始めた。



〈了〉


すまぱすの団長話で、へいちょが部下を喪ったときはうなされる…というのがあったんで、そこから妄想がムクムクと。
20分クオリティです(^^;)
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