140字2編
『12月25日』

親の顔すら覚えていない俺がどうして誕生日は覚えているのか謎だ、本当は全然違う日なのかもしれないと告げると、日にちなんか関係なく、途中からでもこうして共に年を重ねられるのが嬉しいとお前が嬉しそうに微笑む。いずれにせよ、お互いの温もりが嫌でも欲しくなる寒い日で良かったと思う。





『寝待月』

月が昇ってきたら起こしてやると約束したのにいつの間にか眠ってしまったようだ。「悪かった」「いえ。兵長が寝て下さって嬉しいです」俺の目の下をそっと撫でるペトラの指の温もりにまた瞼が重たくなる。「もう少し大丈夫ですよ」微笑む彼女を腕の中に閉じ込めて、この幸せを噛みしめながら目を閉じた
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