後悔する天馬(ボツネタ)
2020/04/16 19:18

夢主=◯◯表記

※ちょっと下ネタ表現あり


――◯◯さんを泣かせてしまった……。

教室の机に項垂れ、天馬は激しく後悔していた。

◯◯が処女だと判明した時、つい大喜びしてしまったのだ。

彼氏がいたことはないのかと興奮ぎみに細かく問い質し、天馬の為に今まで処女でいてくれたんだと訳の分からない解釈をして、泣かせた。

◯◯は顔を隠しながら「驚かせてごめん」「大丈夫」「私が悪いの」と嗚咽混じりに言っていたが、そんなことはない。己の感情を制御出来なかった天馬が100%悪いのだ。

別に天馬は処女にこだわっている訳じゃない。己の身を安売りをしていた天馬がそんな事を言える立場ではないのは、重々承知している。

ただ、◯◯みたいな今フリーなのが奇跡みたいな最高の女性を周りの男が放って置く訳がないので恋愛経験もそれなりにはあって、てっきり経験済みだと思い込んでいたから。

あと三年でも早く生まれて◯◯に出会っていればと悔やんだのは事実だ。

心のどこかでは、気にしていたのかもしれない。

いつも天馬に対して大人っぽく振る舞う◯◯が、プルプル震えながら赤い顔で「私……はじめて、なの」と告白する姿はそれはもう、それだけで半勃ちになってしまうくらいの威力だった。

あの時は結構密着していたから、勃起していたのも多分バレていただろう。我ながらキモい。

お金を貰って◯◯の家に呼ばれるようになってからは天馬が迫っても気丈に振る舞っていたが、好きでもない男に触られて内心はずっと泣きたいくらい恐かったのかもしれない。

――俺ってマジで最低だな……。

とにかく誠心誠意謝罪してどうにか許してもらわなければ。これがきっかけで、やっぱり天馬みたいな子供なんて嫌だと◯◯の目が覚めてしまったらどうしよう。

――そうなったら俺、◯◯さんのストーカーになるかもしんねぇ……。

未成年を連れ回すのに抵抗があるとかで全然一緒に出掛けてくれない◯◯に朝から晩までつきまとって、普段あまり撮らせてくれない写真とか動画を沢山撮って……それから、周りの男どもに堂々と牽制して――――あ、なんかそういうのもいいな。と思ってしまうということは、自覚がなかっただけで元々束縛気質なのかもしれない。

それでもし◯◯に自分以外の彼氏が出来たら、その男を殺してしまう。大抵の男は天馬より小さいし前はよく喧嘩していたので絶対勝てる……なんて、洒落にならない考えを頭を振って追い払う。

駄目だ。そんな卑怯な男に成り下がれば◯◯に本当に嫌われる。

――まぁ、そもそも別れるつもりまっっったくねぇけどな。

◯◯が他の男に笑いかける姿を想像してしまいイライラしていると、片手に握り混んでいたスマホの通知音が鳴った。

――◯◯さん!!!

画面に表示された、待ちわびた名前に飛び付く。

送られた内容を要約すると、今晩会いましょうというお誘いだった。

いつも通りの文章に、絵文字も使用されている。

怒っている様子も悲しんでいる様子も感じさせない。

別に喧嘩をした訳ではないので当然と言えば当然だが、それでも天馬は無神経な己自身を許せなかった。

――今晩、ちゃんと謝ろう。

いい加減『子供』から卒業しなければ。◯◯に釣り合う『大人』にならないと。


××××


前に更新履歴に上げたのとはちょっと違う展開のボツネタです。

本サイトの男はどうしてもヤンデレっぽくなりますね。



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