俺と鱚味でフローリングの床を2人で寝転がる。さっきから暑い、暑いから夏は好きじゃないのとさっきからぐーたらぶーたらと嘆いてる鱚味の方が俺にはやたらと見苦しく見えるんだよって言ったら、南雲も暑苦しいから好きじゃないの、と横目で声に出した。
「暑いと思うから暑ちぃんだよ」
『じゃあ寒いって言ったら気は変わる訳?』
「そういうもんじゃねぇよ」
よっこらせーと立ち上がった鱚味は冷蔵庫からソーダー味のキャンディーアイスをかぷりと加えた、すると虚ろな目で涼野…と呟いた。何だよコイツ、いらっとくるなとかムカつくとか同じ言葉を浮かべてたらいつの間にか鱚味が俺の前に立ち尽くしていて、ぐいっと首元を掴んで顔を上げた。
……涼野に会いたい。ふざけんなよ、お前。涼野冷たいもん、夏はあいつが居ないと始まらないんだよね、風介が居なくても夏は始まるぞ馬鹿か。涼野よこして。そんなの俺が知るか。
『何、南雲ヤキモチ?』
「ちげぇよ」
首元痛ぇから離せ、と手首を掴んで無理矢理離して俺は椅子に座った。するとまた鱚味は俺の股に跨って座り、首元を掴んで、もう何なんだ。
『ねぇ』
「……なんだよ」
『訂正、夏は南雲が居ないと始まんないね』
そういって鱚味の顔が近付いてきてちゅう、と吸い付きられた。淡いソーダーの味がした、どうか夏、まだ終わんねぇでくれよ。
***
リクの南雲くん。
なんか落ち着いてる南雲になっちゃった。