「馬鹿じゃないのか」

『うるさいわね』


ほんとに馬鹿だと思う、マネージャーをやっている鱚味が久しぶりに風邪で休んだから心配してここまで来てやったのに、風邪の理由がアイスの食べ過ぎで体を冷やしすぎた、だなんて笑えもしない。馬鹿は風邪をひかないって聞くが、馬鹿こそ風邪をひくんだと俺は心から思った。ぶわっくしょい!と女とは思えないくしゃみが部屋に響く、もう何なんだコイツは。

朝は同じマネージャーの木野が少し看病してくれたが鱚味はそれを断って木野を練習へ向かわせたらしい。俺はそばにあったティッシュを一枚手で摘むと鱚味の鼻をぎゅむっと抑えた、鼻水が出ていたからだ。


「何か食べるか?」

『ひらゃない』


ずびっと鼻声で言った、何だかいつもシャキッとしている鱚味が弱っている姿をありのままに目に映るから新鮮、というかなんというか、珍しくてたまらない。
また鼻水が垂れてたからティッシュで拭き取ってやる、全くどれだけアイスを食べたんだ。


『…さくま、練習は?』

「昼休憩で抜けて来た」

『早く行きなさいよ』

「やだ」

『行きなさいってば』


ぐぐぐっと俺の体をドアの方へ押しやるが所詮女の力と風邪の威力、全然前に進むはずがない。はーはーと荒い呼吸をし始めたため俺は両腕で持ち上げてベッドへ鱚味を投げた、ぼすんっと白いシーツが舞う。シーツの中でうずくまる鱚味の上に覆い被さって四つん這いに鱚味を見下ろした。


『……っ、』

「たまには、頼れよ」


ベターかもしれない、が鱚味の額に触れるだけのキスをしたら予想通りの赤い顔、ああほんと今日も俺の想い人はしっかりしてて可愛いんです。











***

佐久間くん分かんない…
とりあえず風音の佐久間は
ツンデレよりクーデレ意識が強い







100812


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