美味しそう、本能的に思った、だから食べたくて仕方がなかった、けど俺は我慢した、かっこつけるためとか、プライドとかじゃなくてただ純粋に鱚味が好きだから。しかし俺の心の中はそうでもなくて外見が白なら内面は黒。そんな白と黒が混じって全体的にはグレー。なんて半端な色なんだろうか。
『風丸くん?』
甘いソプラノが聞こえたから、振り向く、女性特有の音。
『アイス、溶けちゃうよっ』
ああそうだ、と頭を戻した時はもう遅かった。かぷっと可愛らしい音を鳴らしたように鱚味は俺のアイスにかぶりついていた、その真っ赤な唇でかぷり。
『美味し…んむっ!』
体が動いた、俺は無意識に鱚味の唇を食べていた、甘くて、優しい、あじがした。その中にほんのり甘いあじは彼女の苺味のアイスクリームだろう、 美味しかったから、子供のように食べてみた。舌で味覚を味わい、もっと、もっと欲しがった。違う所を舐めたら鱚味から呻く声が聞こえた、そんな艶声も今は耳障りのよい響き。
どんどんと胸を押され、我に返り、唇を離した。名残惜しさが湧き上がってくる、彼女と目が合った、鱚味は顔を真っ赤にさせながらぽつり、と嬉しい一言を呟く。それに俺は笑ってこう答えていたのだ
『美味しそうだったから、つい』
***
風丸はじめて!
さり気にやってるリクから
風丸が多かったので