「わぁ、似合うー!」

『ほんと?えへへ』


アンジェロがぎゅーっと抱き付き、少し顔を赤らめて笑う彼女。
ユニフォームを着た彼女は相変わらず青が似合う女の子で、全く不自然ではなかった。


「何か女の子が居るって新鮮だな」


マルコが彼女を見ながら俺に言った、それに頷くジャンルカ。
彼女が小走りで俺の側に来て、くるりと一回転し似合う?ときらきらしてる。それに似合うよ、と反射的に言う俺はどうなんだろう。

さて、問題はオーディンソードの習得。彼女がどれだけサッカーが出来るかで1番最適な練習方法を立てなければならない。
俺は取り合えずプラージにシュートを打ってみて、と彼女に言い、それに分かったと応え、トントンっとスパイクのつま先を鳴らした。

助走を少し付けて彼女はボールを蹴った、プラージが受け止める。
どうやら普通にシュートは打てるみたいで寧ろ綺麗に打ていたし、習得は早そうだ。


『…だめだった?』


下目で遠慮がちに俺を見て言う、心臓落ち着け。


「上手い方だと思うし、頑張れば1週間ぐらいで習得出来ると思うよ」

『ほんと?』


また彼女の目がきらきらと輝いて、直視出来なかった。


それから俺は彼女に合った練習方法でオーディンソードのコツやらなんやらを教えて、彼女は何も文句を言わずに黙々と俺の言ったことを量にし上達していくのだった。

女の子にサッカーを教えるのなんて初めてだし、しかもいきなりオーディンソード。この技は俺が父さんに教えてもらった技だ。だから教えるのだとかはそのまま言葉にして、彼女に伝えた。それに応えてくれるように上達していく、今なら父さんの気持ちだとか言った事が分かった、気がする。


『フィディオ!』


何より、サッカーを楽しんで一生懸命努力している彼女を見られたことが嬉しい。

だが、少しもやもや。
この気持ちが重かった。

こんな事しなくたって
たった一言言えばいいのに
そしたら彼女だって、無事でいられるはずだし、サッカーで怪我をすることだって……

とても自分に嫌悪感を抱いた









ねぇ俺を頼ってよ











***

すごくたのしいんだが






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