先輩と話す


PM4:00

「疲れた…」

学校の授業をすべて終え、私は大学院の研究室でぽつりと呟いた。

「まーた、イヴ、遅寝は肌に悪いよー?ほーら、お兄さんみたいに規則正しい生活をおくらないと」

「フランシスうるさい」

「いいよ!もっと言って!!」

「…めんどくさい」

「放置プレイか…!?」

そういうわけで、経済学部の先輩であるフランシス先輩のいる院の彼の研究室に来ていた。


「で、今日はお兄さんに何の愚痴があるわけ?」

「いいや、別に」

「イヴが何もなしにここに来るなんて珍しいね」

「そう?何もないわけじゃないよ、愚痴じゃないだけ」

「ふーん、なによ、今日の話は」

「フランシスならどう思うか聞きたくって」

そういって、鞄から引っ越し先の見取り図を出して見せた

「…やっと引っ越すのか」

「知り合いに頼んでこの条件でできる限りやすい物件を探してもらったんだけど。一番安い物件でも家賃12万なんだよね」

「ふーん、お兄さんの所と同じくらいだね」

「なんで働いてないのにそんなにいいところに住んでるのよ」

「まぁ?お兄さんだし?」

めんどくさい先輩だ、質問の答えになっていない

「今のイヴだとこの金額はきついんじゃない?」

「そうなんだよね。だからルームシェアとかもいいんじゃないかって言われたりしたんだけど」

「まぁ、それもいいと思うけど?どうお兄さんと一緒に?」

「冗談はヒゲだけにしろ」

「ヒドイ!イヴちゃんヒドイわ!最近一段とヒドイ!」

「フランシス何日かに一回は女連れ込んでんだもん、こっちが苦労する」

「仕方ないさ、だって俺は愛を語るために生まれたからね」

「とことんナルシストだな、私は相談しに来たんだけど」

「まぁ、お金さえあればそこの12万のでいいんじゃないの?」

広さも設備も綺麗さも申し分ないし、と付け加えて説得された。
ただ問題はそのお金がないこと。イヴァンさんは渡した物件全部値下げ済みって言ってたし、これ以上駄々をこねてもいられない

「ありがとうフランシス、そろそろ5時だし帰る」

「おっと、お兄さんもそろそろ帰るから一緒に行くけど?」

「そう、じゃぁ一緒に帰るよ」

「メシ奢ろうか?」

「お言葉に甘えて」


―――…PM10:00

「うっ…飲みすぎた…」

やだ、メール4通も来てる。先輩の料理美味しいから飲みすぎちゃうんだよな…

とりあえず寮に帰った私は携帯に届いたメールの確認をした。

ベルから2通…あとルート1通
あとは…イヴァンさん…


…ん?内容はなんだろう。

Not title
イヴちゃんに紹介した15万円の物件
あれ部下の不注意でとられちゃったみたい…
ごめんね。
でもその他の物件だったら大丈夫だから安心してね!

あー…、狙ってるのは12万のだしいっか。

「もう…ねっむ…」

明日はバイトか、引っ越し資金ももう少しで集まるし、そろそろ給料日だ。

それもあるけど今日はまずレポート終わらせないと、明日の午後の講義で回収だった…。

さて、やるか…


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