遭遇する


ピピピピッ

カチッ

「…」
煩わしいアラームが脳味噌に響くかのように鳴り。
一日の始まりを告げた。
ムクリと体を起こして、アラームの鳴った時計を見る

AM10:30

11時半から授業だ。
そう思って、そばに置いてあった携帯を見ると昨日放置しっぱなしだったメール数通を確認した。

ピッピ…

Not title
明日のバイト行けへんかもー;;
ちょっと数日知り合いの家行くことになってな、店長に伝えといてくれへん?
あ、みやげ買ってくるな!

あら、寂しい。仕方ないけど
てことはベルからの2通目は返信こねぇ…的なあれか。

ピピッ…

あ、やっぱり

ルートは…

不動産
実は俺も知り合いに頼んで、いろいろ物件を当たってみた。
見つかったのは2件ほどだが見てみてくれ
一応部屋のポストに入れておいてくれと頼んだんだが見つからなかったら連絡してくれれば間取りはわたす。

ふーん
条件に合ってて安いといいな。
女子寮の誰かに頼んだのかな

とりあえず言われたとおりにポストを物色してみると、例のそれが入っていたので。
支度をしてバックにそれを詰めたら講義を受けに行った。

――――……

PM2:50
講義が終わって、耀さんの所でご飯を食べた後。

今はバイト先の結構おいしいと評判のハンバーガーショップにいる。
ちなみに某有名チェーン店ではない。割と時給のいいハンバーガー専門店だ。

「いらっしゃいませー」
お得意の営業スマイルで、入店してきた客に挨拶をした。ビジネスライクな笑顔を元に戻すと注文しに来た客の顔がはっきりと視界に入ってきた。

「あのー…」

「はい」

…ん?


「あ、ウィリアムズくん」

「あ、イヴ先輩」

「ご注文は?」

「あ、チーズバーガーとメガサイズのチーズバーガーひとつ」

「あー…、はいはい、ジョーンズもいる感じか…」

メガサイズ…ねぇ、普通のも割とボリューミィーなんだけど

「え、はいアルもいますよー」

「このお店初めてだよね?」

「アルが来たがってて」

「なんとなくわかるよ。じゃぁ知り合いだしコーラ2個サービスしてあげる。」

「本当ですか?ありがとうございます」

というわけで、店の奥の店員にハンバーガー作りを任せて飲み物を取ってきた。

コトッ

「はい、2個、今ハンバーガー持ってくるから」
皿にのったでかいのと普通サイズを比べるとあきらかに違う。

「どうぞ」

「どうも〜…」

「あ、ねぇ、私3時20分には仕事あがるんだけど、この後ちょっと付き合ってくれない?」

「あぁ、僕は平気ですよー」

「そう、じゃぁ待っててくれる?」


―――――……

バイトが上がると、彼らが座っているであろう座席に向かった
近づくにつれすぐに分かった。
あのアホ毛2つはきっと彼らの物だろう。
特徴的過ぎる。
とくに上にはねてる方はテンションも高いせいで周囲よりうるさくちょっと目立つ。

「やっぱりいたか…」

「コーラが空になったじゃないか!!!」

「奢ってもらっといて…」

こいつ…本当に失礼な奴だな…

「まぁ、そんなことはいいから、暇だからちょっと2人とも付き合ってよ」

「別にいいけど…どこに行くんだい?」

「ついてくればわかるよ」



.


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