"それ"は何の前触れもなく、突然訪れる。
椅子に座って雑誌のページをめくる君を突然押し倒して、白い首を絞める。

首を絞めた時に歪む、君の表情が好き。
目に涙を浮かべて、必死に酸素を取り込む君を見ると、何だか興奮する。
魚のようにパクパクと開閉する君の唇を薄い僕の唇で塞いだ。
心臓の音が喉の奥の方から遠く低く響いてくる。
僕から送られている酸素を懸命に受け止める君の額から、冷たい汗がたらりと流れた。

「   、」

少しして、手と唇を離して名前を呼ぶと、君はうっすらと苦い表情を浮かべた。
そして震える唇で"馬鹿野郎"と、声に出さずに言葉を紡いだ。

永遠にその人が欲しいなら、殺せと教えてくれたのは君でしょう?
でも、君が死んでしまうのは嫌。
そんな臆病な僕を許して。

キスで殺して、私を愛して
(どうせ死ぬなら、深いキスで窒息死しよう。)
(僕は歪んだ方法でしか、愛する術を知らない。)

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