初恋の相手でもあった彼女は少女の頃から美しかった。
そして、何十年振りに出会い、さらに美しい女性に成長していた。
彼女とは高校の時に付き合っていた。
進路も別々になって、やむを得ず別れてしまったが、ずっと僕は彼女を想っていた。
でも、何十年振りに出会った彼女は、すでに夫もいて子供もいた。
タブーだと分かっていながら、君を苦しめてしまうと分かっていながら、手を掛けた。
「君のことをずっと想ってた」
君の幸せを壊してまで、君を欲していいのか?
「それでも愛してるんです」
嗚呼、最低だ僕は。
僕は彼女の、その戸惑った表情も感情も、全て無視して口づけを施した。
ガラガラ、と何かが崩れる音が何処かで聴こえた。
一途という名の悲劇
(それは、初恋と言うには醜すぎる恋。)
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福山雅治さんの「はつ恋」よりイメージ。