心がぽっきりと折れた。
やっと別れて清々したと思ったのもつかの間、激痛が走った。
心が骨折したらしい。
いや、おかしいぞ。未練はなかったはずなのに。
心のどこかの誰かさんが「ひとでなし!」と叫ぶ。
ああ、もしかして、あんたはまだあいつのこと好きだったの? ごめんね、私はもうあいつのことどうとも思ってないんだ。
……違う、違う。そうじゃない。
ああ、あいつのこと、手酷くフッてしまったような。あまりにもひどかったから、もう無くしていたと思っていた良心が怒っているんだ。
でもね、
(言い訳が始まる)
ああいうフり方をしたのは、一種の優しさの表れなんだよ。
(苦笑する)
あいつの未練を根こそぎ取ってしまう為に。
(視線を落とす)
だって、ずっと私なんかのことを気にかけて、次に進めなかったら可哀相じゃん。
(激痛が走る)
我ながら、不器用すぎる優しさだと思うけどね。
(激痛が走る)
仕方なかったんだよ。
(激痛が走る)

複雑骨折した心に、あいつのビジョンがぼんやりと映し出されていた。





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