代わり映えのない俺の日常。

大学の卒業と同時に就職した会社に勤めて早四年。
今の仕事に不満がある訳でも、他にやりたい仕事や夢がある訳でもなく、それなりの給料と上司に恵まれている。

ただ、あまりにも毎日が同じことの繰り返しで、嫌になるのも事実だ。


今日も今日とていつもの帰路に就く。

片手には鞄を持ち、もう片方の手にはコンビニで買った唐揚げ弁当の入っている袋を握り締める。

「おにーさん、おにーさん」

人通りの少ない夜の公園を歩いていたら、後ろからちょんちょんと肩を叩かれた。
反射的に、後ろを振り向く。

「…………」

なんだ、この派手な奴は。

ヘラヘラと笑っている金髪の若い男。
明らかに、俺より年下なことはわかった。

「何?」
「あ、そんなに警戒しないでよー。俺、怪しくないよ?」

自分のことを指差しながらそう言うそいつ。
正直、怪しくないと言われてもイマイチ信用出来ない。いや、信用しろって方が無理だ。

「俺さ、お兄さんに一目惚れしちゃったんだよね」
「……は?」

あまりに現実離れした男の発言に、言葉が出てこない。
固まっている俺を無視して目の前のそいつは、淡々と話を進める。

「だから、髪切らせて?」

もう意味がわからない。
奇想天外なことばかりを言う男に、頭が痛くなってきた。



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