メモ記



さくらさくら




企画を始めるきっかけは、実は第三夜の「桜夜死神見之事」でした。
それについては「+α」のこちらをごらんください。
この話で人食い桜が生まれた理由を考えたとき、第一夜「桜喰い」の案が浮かびました。ちょうどワンライに桜のお題があったのでこれよしとばかりに書き殴り、それで勢いづいたのか……最初はここまで大事に企画化するつもりはなかったのですが、あれよあれよという間に「桜と死体」に関連するずるずる話が出てきてしまいまして。ならばいっそひとまとめにしてお祭り騒ぎしようか、と思い立ったのが今回の企画につながりました。

「墓場でランチを」は「死神」と対になる形で、昼の桜を書こうとしたものです。話のベース自体はもう何年か前に浮かんでいたのですが長い間、形にできずにいました。今回、桜つながりということで執筆に踏み切れたことでやっと彼らが報われた思いです。
この話だけ「ほろびる時刻」、似非SFの世界観です。

表題の「桜埋め」、二つの幕間と幕開け幕引きから成る、僧と女と桜のお話が、それぞれの夜を埋める働きをしてくれました。
この話は謡曲の「西行櫻」をほんのり意識しています。
どうせ桜の精が出るなら翁精より美女をとしたのは明らかに趣味ですね。
僧は……何でもかんでも「破ァー!」で片づけてしまうのは風情に欠けるというものですから、宴のときくらいはゆったりと。






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