スキニナッテ、イチネンチョット
※過去のお話です(´・ω・`)
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「はじめまして、ベクの双子ちゃんなんだよね?」
「あ、うんっ。」
「俺、チャニョルって言うんだベクと仲良くさせてもらってる!」
「よ、よろしく」
ベクが今日漫画を貸すために友達連れてくるからって言っていたけど思ってたよりカッコ良すぎる、王子様みたい。甘い顔とは違って声は低温ボイスですごい飾らない人だなぁ。ベクとは大違いで完全にベクがチャニョル君の引き立て役…なんだろうなぁ。
うわぁ、なにこれ。チャニョル君のこと見るとドキドキする。私、一目惚れってしないタイプの人間なんだけど…目の前に座ってくつろいでるチャニョル君がカッコ良すぎてドキドキして心臓おかしくなりそう。
「チャニョル、これで全部。」
「おっ、ベク。ありがとう!」
「いいっていいって!」
「じゃあ家でさっそく読むわ!お邪魔しました。じゃあねおなまえちゃん!」
そう言った漫画(約30冊)を抱えたチャニョル君のキラキラしたまぶしい笑顔にノックアウト寸前。「バ、バイバイッ」なんて早口で答えてバクバクうるさい心臓をおとなしくさせる。…きっとこれが好きって感情なんだ。
次の日。神様というものはいたずらが大好きみたいでまたチャニョル君と私を遭遇させた。…チャニョル君の右側には小さい可愛い女の子がいた。そうこれが失恋というものだ。
「あ、おなまえちゃん!」
「ちょっと、チャニョル?その子誰よ。」
「ベクの双子の妹ちゃんだよ〜」
「あぁ〜っ、そうなんだっ。ミヨン心配しちゃったぁ♪」
「心配すんなって俺にはミヨンしかいないよ。じゃあね、おなまえちゃん!」
ミヨンちゃんがチャニョル君の腰に手を回して二人が歩き出す。気になって二日目で失恋ですか。…完全に好きになって無くてよかった。心の傷もちょっとチクッてしただけ。むしろ神様に今日会わせてくれてありがとうって感謝するべきかな。
その一週間後また私はチャニョル君と遭遇した。チャニョル君の横の女の子は違う子に代わっていた。
「久しぶりだね、おなまえちゃん!」
「ベクの双子の妹さんだよね?ハヨンって言います」
「チャニョル君…ハヨンちゃん…」
「行こう?ニョル君」
「うん、またね!おなまえちゃん♪」
そう言ってチャニョル君とハヨンちゃんは腕を組んで私のもとを去って行った。ミヨンちゃんとはどうなったんだ。あんなにラブラブなお熱い雰囲気だったのに一週間ですぐに新しい子とこんなラブラブにお熱くなれるんだ。
“もしかしてチャニョル君ってチャラい?”そんなことが私の頭をよぎった。気になって帰った後ベクに聞いたらそうだよ、あいつはすぐ彼女を変えるよ。だって。それにベクは付け加えて「あいつがチャラチャラしなくさせることができる女にお前がなれよ」って。ベクにはすべてお見通しだった?「お前と何年一緒だと思ってんだよ。バレバレ。」…さすが片割れですね。
“チャニョル君と仲良くなっていろんな子と付き合うのをやめさせれたらいいのに”そんなことが頭に浮かんだ。…こうなったらチャニョル君と仲良くなる努力をしよう。彼はまだきっと本当の恋愛を知らないんだ。「あいつは、可哀相なやつだよ。本当は良いヤツなのに優しいのに告白されたら断れないんだよ。」ベクが勝手にチャニョル君について語りだす。
「好きになってくれたから答えてあげたくて告白されたら断らない。自分からは絶対振らない。みんなチャニョルが思ったよりガキとかそんな小さい理由で振るんだよ。王子様じゃない。とかさ。…自分勝手だよな。チャニョルはお前らのこと好きになろうと努力してんのにさ。」
…チャラチャラしてるのにも理由がちゃんとあるんだ。ただの優しい馬鹿な人なんだ。チャニョル君って。
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